2012/12/03

『シャルダン展―静寂の巨匠』 於:三菱一号館美術館





先週末の東京行きの記事が全然進んでません。展覧会所感だけでも書かねば。



シャルダンさんは、名前はどこかで聞いたことがあるかもしれない、という程度で、絵はもちろん知らないし、見ても覚えがない、という人でした。

上にある絵の通り、こういう色調の暗めの静物画が多かったです。

時代を追って、順に並んでいたので、作品や画家の変遷がよく分かって見やすかったです。



Ⅰ- 多難な門出と初期静物画



《死んだ野兎と獲物袋》 1730年頃

初期静物画というのは、こういう獲物とかの絵が多かったです。

しかも(死んだ)うさぎの絵が2つくらい続いて;; うさぎ好きとしてはちょっと悲しい…。食べる方ではなく、観賞する方の好きです。

やたらと肉の絵が多かったです。



シャルダンさんはビリヤード台職人の息子さんだそうですが、18世紀からビリヤードってあったんですね。しないものだから、そんなに古いスポーツだとは知りませんでした。



Ⅱ- 「台所・家事の用具」と最初の注文制作



Ⅰとの違いがよくわかりませんが、1730年以降から注文を受けて制作するようになったということだと思います。

描いてあるモチーフとしては、肉とか肉とか台所用品とか肉とか、そんな感じです。



Ⅲ- 風俗画―日常生活の場面



《食前の祈り》 1740年

静物画→風俗画→再び静物画と画題が変遷していきます。

知りませんでしたが、静物画は風俗画よりも劣るものだったようです。再び静物画に移行したことを考えると、本人は風俗画より静物画の方が好きだったのかなと思います。

この《食前の祈り》の画題は人気があったようで、いくつも注文を受けて同じような作品をいつくか作っているとのことで、隣にほとんど同じ絵がありました。

どこが違うのか分からないくらいそっくりで、「同じような作品を作っていた」ということを説明するにしても、並べる必要性はあまりないような気がしました。

間違い探しのようでした。



(1753年頃)



Ⅳ- 静物画の回帰



左(1755年) 右(1756年)

Ⅲの《デッサンの勉強》《良き教育》も、Ⅳの《台所のテーブル》《配膳室のテーブル》も、対作品として描かれた作品です。

しかし対で展示されることはほとんどなかったようで、今展覧会で画家の意図通りに並べて展示されたのは30年余年ぶりとのことでした。

別々に保管されているのもあって、並べるのは難しいみたいですね。



風俗画を描きはじめる前に、ブルジョワの未亡人と結婚したことで、風俗画にもブルジョワの生活が描かれているし、静物画に戻っても、描かれている食器や用具などは初期に比べて質がよくなっている気がします。



《木いちごの籠》 (1760年頃)

いちごを盛りすぎたタルトかと思いました。どうやって食べるんだろうと。タイトル見ると、籠に持ってあるだけでした。

色調が全体的に暗くて、あまりパッとしませんが、こういうフルーツの絵なら、家に飾ってみたいですね。



最後に三菱一号館美術館(以下、一号館)が所蔵する作品から、「シャルダンに影響を受けた画家たち」としてセザンヌやミレーなどいくつか並んでいましたが、こじつけと言えなくもない^^;

そういう一面はあるかもしれませんが、明らかな影響は見られないし、そんな無理に並べなくてもという印象の方が強かったです。



キャプションが絵から離れていて読みにくかったです。絵を見ながら読めない。ここの美術館は、いつもこんなものなんでしょうか?

しかも情報が細かい。タイトル・年代・画材・所蔵元、くらいが一般的です。

大きさまでついているのは親切だと感じましたが、所蔵元がいつ・誰から収蔵したのか(←分かる限り書いてある)、サインの位置、これらの情報の仏訳・英訳まで載っていて、逆にこんなにいるか? と感じました。

少なくて不満なことはありますが、多すぎてびっくりすることなんて初めてです。



オディロン・ルドン 《グラン・ブーケ》 (1901年)

この絵も見れました♪

一号館が所蔵する《グラン・ブーケ》。今年かな? 収蔵して、その記念にルドンの展覧会をしていました。

ルドン大好きなので、ものすごく行きたかったんですが、SS4東京ドームで上京するのと日程が合わず断念しました。ルドンのために東京行こうかと思ったんですが、泣く泣く諦めました;;

そんなことがあったので、せめてこの1枚だけでも見ることができてよかったです^^

版画作品の方がよく知られていると思いますが、油彩画作品の方が好きです。鮮やかで華やかで、現実にあるものを描いていても幻想的な雰囲気があり、引き込まれます。



photo:tana

古い建物、名前からして三菱の会社の建物だったと思いますが、それを改装して美術館になっています。

細身美術館と同じように、部屋が細かく分かれていて廊下や階段で、移動していきます。一部屋に展示数はそれほど多くなく、ゆったり見れます。

部屋には暖炉のあとも残っていて、古い洋館の雰囲気が建物の中にも残っています。

建物も内装もシックでよかったです^^




photo:tana

美術館併設のカフェ1894のコラボメニュー、木いちごのタルトです。桃のコンポートとヨーグルトアイスクリーム付。

本当はランチメニューの方を食べたかったですが、お昼ときは建物の外まで並んでいたので、お腹も空いていたし諦め、おやつの方にしました。

いろんな種類のベリーが乗っていて、甘酸っぱくておいしかったです^^

いろいろな美術館や併設のカフェ・レストランなどでコラボメニューが最近増えてます。こういうのはちょっと高めになりますが、ちょっと変わったメニューなどもあって楽しいですね。

こじつけであまり関係ないようなものもありますが、シャルダンさんは食べ物や肉をたくさん描いているし、メニューもつくりやすかったかな? と思います。


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