2012/10/28

『シャガール展 -愛の物語-』 於:京都文化博物館


公式HPはこちら→京都文化博物館 特別展示室



昨日は午前中、着付けのお稽古のあと、友人と一緒に行ってきました。

文化博物館(=文博)は三条通りにある、赤いレンガの壁が印象的な美術館です。近頃(と言っても結構前)リニューアルして、ロビーや展示室なども大分きれいになっていました。



シャガールは明るい色使いと浮かれている感じの画面が特徴的で、好きな画家です。



副題に「愛の物語」とあるので、彼が奥さんと自分をモチーフにした愛にあふれる絵がいろいろ出ていると思っていたのですが、違いました。

Ⅰ 故郷ロシア
Ⅱ 結婚-幸福な日々
Ⅲ 悲しみの日々そして追憶・幻想へ
Ⅳ 版画シリーズ『ダフニスとクロエ』

という構成になっていました。副題にふさわしいカテゴリはⅡなんですが、そこには4つしか作品がありませんでした。

他のところはそれぞれ30近く作品が展示されているのを比べれば、アンバランスすぎる少なさです。



《赤いユダヤ人》 (1915年)

タイトルも画面も強烈な絵です。

シャガールがロシア(現ベラルーシ)出身のユダヤ人だとは、この展覧会を見るまで知りませんでした。プロフィール、あまり調べないもので。

赤い髭と、緑の右手が目を引きます。

Ⅰには初期の作品や故郷を(で?)描いたもの、両親など家族を描いたものがありました。




《ユダヤ劇場への誘い》 (1920年)

ユダヤ劇場の壁画シリーズを、1部屋にレイアウトをそのまま展示していました。



そのこと自体はとてもよかったと思います。

この部屋の入口はレンガ風の壁紙を張ったアーチ状で、どんな劇場だったんだろうと想像をかきたてておきながら、中はただ並べただけの普通の展示という。

ステージのところは白いカーテンが掛かってました。

凝った入口は何だったんだろう…。作品番号3~6の間の隙間は扉かと思うのですが、入口も凝って作った(壁紙張っただけだけど)なら、義扉でも作ればいいのになぁと思いました。

そしたら、劇場の雰囲気がもっと出ると思うし、そういう雰囲気も出さずにただ普通に並べただけなら、2の作品が上の方にあって見にくいという欠点が目に付くだけです。

今はたいていどんな装飾でも作れるから、扉とか柱作るくらいなんでもないと思うんだけどなぁ?

作品がよかっただけに、見せ方がちょっともったいないなと感じました。



《結婚式》 (1918年)

Ⅱに展示されていた作品の1つ。モノクロの油彩画自体知りませんが、それがシャガールというのも、ちょっと驚きでした。

天使だけ赤くて…。

シャガールに対するわたしのイメージは、明るい色彩と、奥さんとの2ショットの絵が多いイメージで、副題通り「愛の物語」を描く画家、だったんですが、イメージが変わりました。

一緒に行った友人の「人物が幸せそうには見えない」という感想に共感したのもありますが、彼がユダヤ人だからか、ロシア(寒い国)出身だからか、根本的な悲しみが現れているように感じ始めました。

目の表情が大きいと思います。

口は笑っていても、目が記号のような形で、感情が読み取れないです。

それに、展覧会でシャガールの作品を1つの流れで見たら、明るい色彩の作品は版画などで、油彩画はそれほど明るいものではありませんでした。



《街の上で》 (1917年)

シャガールと奥さん・ベラが宙に浮いて、幸せの絶頂を描いている作品。

一見明るい感じだけど、空が雪国的なくすんだ色ですね。

でも、こういう複雑で単純でない内面の発露が、シャガール作品の特徴で良い点だと思います。

それにしてもⅡに作品が少なすぎる。



《恋人たちとマーガレットの花》
(1949‐50年)

黄色と花が印象的な絵です。タイトルと相まって幸せな感じもしますが、これはベラの死後描かれた作品です。

シャガールは奥さんの死で意気消沈し、数年間作品が描けなかったそうです。

そういう背景を見れば、人だけが青く暗くて、顔がよく見えませんね。



Ⅳに展示されている版画の連作は有名なもので、シャガール展と名のつく展覧会にはよく出品されているもので、わたしも以前見たことがあります。



展覧会のタイトルから、愛の画家と呼ばれるのにふさわしい作品が見れると思ってましたが、少し違いました。

奥さんを一途に愛した画家ですから、《恋人たち~》の作品にしても愛あるものには違いありませんが、全体的に何だか、さみしげな感じがしました。

新しいシャガールの見方もできたし、ロシア時代の作品はあまり見る機会もないので、作品はよかったのですが、タイトルと中身が乖離していたので、そこだけ残念でした。

愛とか色彩とかを強調しなくても、そこは美術好きな人には浸透しているんだから、時代ごとにカテゴリを分けるとか、フランス行ったりアメリカ行ったり(亡命したんだけど)もしているから、地域ごとに分けるとか、上手く言えませんが、「愛の物語」という副題は別のものがよかったです。



《ダフニスとクロエより 小牧場の春》 (1961年)



午前中は着付けのお稽古。内容は先週と一緒で、12月のイベントの練習。

1週間しか経ってないのに…、人の記憶力って儚い…。家ではなかなか練習できないというか、やろうという気が起きないです^^;

次は2週間後なんですが、大丈夫かな?

まぁ、なんとかなるかな、といつも通り考えてしまう、楽天的なわたし。


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