2012/03/03

『アンリ・ル・シダネル展~薔薇と静寂な風景~』 於:美術館「えき」KYOTO

昨日、仕事帰りに行ってきました。

京都駅隣接の伊勢丹7階にある展示のみを行う美術館です。

行きやすくて、19時半まで入場できるし、いつもなかなか珍しい・興味深い展示をしているので、比較的よく行くところです。




このポスターを見て、すごくきれいで目を惹かれました♥



ル・シダネルのことは全然知らなかったのですが、いい作品が多くて大好きになりました!

20世紀初頭に活躍したフランスの画家で、時代的にはまさに印象派から象徴主義へ移り変わる只中にいた画家です。

画風は一見したら印象派のモネやピサロなどと同じような感じですが、一番違うのは、彼らが明るい昼の光を表現したのに大して、ル・シダネルは柔らかい月の光を表現した点にあると思います。



《コンコルド広場》 (1909年)

画像だと夜の空の色の深さが出ないのが難点ですが、暗い中に点々と光る明かりが本当に暖かいです。



《運河 (アミアン)》 (1901年)

パステルで描かれているので、空と建物の輪郭がより曖昧になって、夜の中に溶けてしまいそうです。人は描かれていないのに、窓に明かりが灯っていることで、人のぬくもりが現れているようです。



《階段のある風景》

月明かりに浮かぶ雪の白さ、寒々しい中に灯る窓の明かりの暖かさ、そういう少しの要素が月明かりの中で際立つとてもすてきな絵だと思いました☪



《朝》 (1896年)

朝もやの中、船で進む花嫁さん。「静謐」という言葉が似合います。この絵も大好きで、目を奪われました。



《テーブルと家 (ジェルブロワ)》 (1935年)

印象派に学んだだけあって、朝や昼の光も表情豊かに描かれています。でもそこはル・シダネルらしく、明るすぎず落ちついたやさしい感じです。

晩年に描かれたこの絵は「食卓シリーズ」の中の1点です。誰もいないテーブルに乗った食器や果物が、寂しげではなく人の残り香のようです。



印象派の光って、新時代の情熱や期待感にあふれていて、とってもまぶしいですね。それはそれですてきですし、好きです。

そして象徴主義というと、神秘的で夢や闇に惹かれる感じがしています。

ル・シダネルは2つの思想・主義を上手く融合させたというか、本人は自分の表現を追及し高めていっただけだと思いますが、よいところが合わさって、ル・シダネルにしかできない表現を確立したようです。



印象派の画家たちと比べて、日本での知名度が低すぎるル・シダネルですが、柔らかい光を描き、人のぬくもりも感じられて、(tanaが言うのもおこがましいですが)とってもすばらしい画家です!

初期から晩年にいたるまでの全貌を日本で始めて紹介する展覧会ということで、これを機に人気が上がってくれるといいなぁと思いました^^



tana的に嬉しかったのは、グッズ売り場のポストカードのラインナップ!

ポストカード集めは趣味の1つなんですが、いつも展覧会で「いいな」と思った絵がポストカードになっていることがあまりないんです。

でも今回は「いいな」と思った絵がほとんどポストカードであって、お金ないのにパカスカ買っちゃいました^^; まぁいつものことなんですが。

UPした画像、《階段のある風景》以外はポストカードになってました♪



京都以外にも巡回するので、興味を持たれたらぜひ行ってみてください☆



マリー・デュエム 《アンリ・ル・シダネル》




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