2013/08/19

『ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡』 於:江戸東京博物館



東京開催の最終日に行ってきました。

最終日だけあって人が多かったですが、見れないほどではなく、隙間や人だかりのないところもあり、充分見れました。

「ボストン美術館展」も、とても質のいい江戸絵画を多数見ることができましたが、今回も「奇跡」と銘打つだけあって、どれも傑作と思えるような作品がたくさんあり、とても見ごたえがありました。



酒井抱一 《十二ヶ月花鳥図》 19世紀(江戸時代)

壁にそうように、ずらっと並んだ12幅の掛け軸。

分かりやすい画題・構図・色で、誰もが好感を持てるような感じの絵だと思いました。とてもきれいですてきでした^^



円山応挙 《鯉亀図風炉先屏風》 18世紀(江戸時代)

展覧会の中で気に入った作品の1つです。絹本着色の作品で、絹の透け感がそのまま水の透け感となっていて、涼しげで、夏のしつらえにぴったりの屏風です。

こんなの欲しいなぁと思いました。



鈴木松年 《月に雲図》

明治から大正時代にかけてかかれたのか、はっきりした年代が分からないだけなのか分かりませんが、その頃の絵とは思えなくて、目を引きました。洋画のようです。

だけど書かれているのは故事のようです。また絵の上下の手書きの花が日本の伝説を暗示するものであり、どちらにしても教養と知識がなければ、絵の奥にある本当の主題には気づけない作品です。



鈴木其一 《群鶴図屏風 (右隻)》 19世紀(江戸時代)

二曲一双の屏風です。鳥も羽がふさふさしていていいですが、わたしは何といっても水の表現が気に入りました。なめらかで強弱のついた曲線が水の流れ、清らかさをよく表しています。






すべての作品に解説があり、さらに掛け軸など賛があるものにはすべて書き下しと現代語訳がついていました。「親切すぎる」と思いましたが、今はすぎるくらいがちょうどいいのかもしれません。何事も。

ほとんどの人がそれを熱心に読むので、列ができるし(だから隙間などもできるのですが)、みんなよく読むなと思いつつ、わたしは斜め読みしてました。



東京に行くと行ったら、友人が「これに行きたかったの~」と言っていたので、少し気になっている程度だったのですが、行くことにしました。

とってもいい展覧会だったので、結果的に行ってよかったです! 後押ししてくれた友人に感謝です^^ 図録のお使いの他、お土産もあげました。

絵はがきは細長いものがたくさんありました。安かったし、印刷もまぁよかったので嬉しいですが、しまうのに難義するので、反面少し困ります^^;



今回初めて江戸東京博物館に行きました。常設展も充実していて面白いそうですが、今回は時間の関係で特別展だけ見ました。

古そうな建物ですが、中はきれいで、展示室も昔ながらという感じのオーソドックスで、かつ清潔感があり、とてもいい美術館だなと思いました。

今度は常設展にも行ってみたいです^^



この展覧会は巡回しますが、場所がMIHOと鳥取という少し…辺鄙な関西からは遠いところです。けっこう大々的なものだと思うのに、関西三都のいずれかでしないのはなぜだろうと思います。三都のどこかでするのだったら、もう一回行ってもいいなと思う、そんな見ごたえのあるいい展覧会でした。


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