2012/09/02

『バーン=ジョーンズ展 英国19世紀末に咲いた華』 於:兵庫県立美術館


公式HPはこちら→兵庫県立美術館「バーン=ジョーンズ展」



初日に行ってきました。

久しぶりに神戸にも行ったので、ちょっと遠いんですが、展覧会も面白かったし、中華街に寄ったりして、楽しかったです^^



バーン=ジョーンズは、19世紀の画家で、ロセッティに師事し、ラファエル前派に属する画家です(と書いてある)。

ギリシャ神話や童話・文学を題材にした作品を多数描いています。というか、それ以外の題材はほとんどありません。ホンの少し、デッサンや肖像画があるだけです。神話を題材にしているからか、19世紀の画家というイメージは、作品からはあまり感じません。

お師匠さんのロセッティと顔立ちや描き方が似ています。



初日だし、人が多いかな? と思ったら全然そんなことはなくて、少なかったです。静かにゆったり見れました。






名の知られた有名な画家で、活躍もしているから、わたしなどが下手だと言ってはなんですが、でもあまり上手ではないような…。どの絵の人物も表情が同じで、あまり感情が顔に現れていないです。

無表情というのも違うけど、喜怒哀楽がはっきりしないです。



《闘い・龍を退治する聖ゲオルギウス》 (1866年)

龍がどう見てもワニくらいにしか見えない…。こういうところが、あまり上手って思えないところです。

物語を題材にしているので、連作が多いです。こちらも「聖ゲオルギウス」という連作7作品中の1つです。



《東方の三博士の礼拝》 (1894年)

絵ではなくタペストリーです。壁に飾る用の絨毯みたいなものです。

原画をバーン=ジョーンズが描き、タペストリー制作をモリス商会が手がけています。

モリス商会とは。ウィリアム・モリスという、今で言うデザイナーみたいな感じかなぁ? アーツ・アンド・クラフツ運動の主導者です。その彼が中世に憧れて作った会社で、インテリア製品や書籍を作っていました。

※モリス商会についての大部分はWikipediaより。ウィキはあまり当てにするものではないので、興味があれば辞書や図書館で調べてみてください。

バーン=ジョーンズとはオックスフォード大学で出会い、友人同士です。



《チョーサー著作集》 (1896年)

この作品も2人の共作で、絵がバーン=ジョーンズ、絵の周りの装飾や文字をモリスがデザインし描いています。

モリスと言えば、こういう植物などのデザインが多いです。

ちなみにこの本は、世界三大美書の1つだそうです。何にでも「世界三大○○」はあるものですね。誰が作るのか知らないですが。



「いばら姫」の連作、と言っても展示されていた(完成された)作品は、この1つだけで、あとは習作(デッサン・下絵のようなもの)でした。

風景も女性も美しい絵ですが、お姫さまにしては粗末な部屋だなぁと思ってしまいました。

「いばら姫」(=眠りの森の美女)のお話は比較的知られていると思うので、ストーリーがよりダイレクトに伝わってきます。




自分の作った彫像に恋をしたピグマリオンを描いた連作です。全4作品が並んでいて、ストーリーも想像しやすく、見やすかったです。

自分で作ったものに恋して、心を抑えきれないくらいどうしようもなくなってしまって、そしたら女神さまが彫像を人間の女性にしてあげて、恋が成就するというお話です。

主人公のピグマリオンさんは、めちゃくちゃ超ド級のナルシストですねww

恋が実ってよかったね、なんて感想はありません。ただひたすらナルシーなピグマリオンが面白かったです。

絵を書いたり、何か作品を作る人ならわかるんじゃないかと思うのですが、自分の作り上げた作品には、自分自身が出ます。出ないということはありません。自分自身が投影されるのが、自分の作品なんです。

わたし自身、高校・大学を絵を描いていたことがあるので、もう嫌になるくらい未熟で世間知らずな自分が出てしまっていて、自分の作品というものを好きになれずいました。それでも描き続けなければ生きていけない、という人が画家だと思っています。

こんな気持ちがあるから、「自分の作品に恋をするって、どんだけ自分好きなんだろう」と思います。

最初の方にも書いたように、表情の起伏があまり描かれていないので、恋に悩んでいる顔も、成就して喜んでいる顔も同じように見えて、物語の内容と相まって、よく理解できない作品でした。



全体的にはエンターテイメント性にあふれた作品郡で、一見するととてもすばらしく美しいですが、よく見れば見るほど、考えれば考えるほど、疑問符と欠点(とは言いすぎだけど)が目についてきます。

物語の挿絵としてはいいかもしれませんが、絵画作品としては心動かされるものはありません。

ヨーロッパで生まれた価値観を元にした神話や宗教画題、童話などを題材にした作品ばかりなので、バーン=ジョーンズが生きた当時や、それ以降のヨーロッパでも有名であり続けた理由は分かりますが、個人的にはとくに好きになるでも、嫌うでもなかったです。

日本初の大規模なバーン=ジョーンズの展覧会で、構成もわかりやすく、約80点と展示数も多かったので、もう十分かなと思います。



こんなに辛口になるはずではなかったんですが、率直に書いていったら、こんなに。「なんかつまんなかった」みたいな印象を与えてしまうかもしれませんが、普通に楽しかったですよ^^;

バーン=ジョーンズの作品と認識してこんなにたくさん見るのは初めてだし、それだけでも興味深かったです。



《風刺的自画像》 (1891-1895年)

作品というほどのものでもないですが、こんなものも書いていて、少しだけですが、人柄に触れることもできます。

神話や童話好きな人でなくても、日本で初めて(大規模な)展覧会が開かれた画家ですから、知らない人に出会うというだけでも楽しいかもしれません。






せっかく神戸まで来たので、母が好きなプーアール茶(わたしもよく飲みます)を買いに、中華街へ行きました。

おやつ時に行ったのですが、お店はどれもがっつり中華料理屋さんしかなくて、軽く食べられるものは屋台くらいしかありませんでした。

屋台のものって、あまり食べたいと思わないです。なんとなく。

普通の喫茶店でお茶して、中華街をぶらぶらしつつ、(安い)プーアール茶を買いました^^



そのあと、お友達おすすめのポストカード専門店へ。

そんなところ危険! と思ったけど、やっぱり行かずにはいられなくて、行ったらこんなに危険なところはない! と思いました。服は我慢できても、ポストカードは(単価が安いから?)我慢できないんです…。

新しいものから、古いものまで、いろいろ壁一面にあるんです。もう何時間でもいれますね。軽く1時間はいましたよ。大体が1枚157円なので、あまりたくさんは買えないんですが、それでも好きなシリーズのものがいっぱいあって、近所だったら毎日のように通ってしまうなぁと思いました。遠くてよかった^^;

ポストカードってすてきです♥ 実用品なのに、きれいでかわいくって、書くところが限られているところが。

そして、趣味の合う友達がいることの幸福をこの日も実感しました! また行こうね~^^♪


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