2012/05/17

『インカ帝国展 マチュピチュ「発見」100年』 於:国立科学博物館


『インカ帝国展』 2012年3月10日(土)~6月24日(日) 国立科学博物館(東京・上野)

公式サイト→TBS インカ帝国展特別展「インカ帝国展」

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いいなと思う展覧会は大半がGW末で終わってしまっていたのですが、日程的にもそれほど行けないし、ちょうどよかったのかも知れません。

マチュピチュはとても神秘的で、一度は行ってみたい場所です^^

古い遺跡のようですが、時代的には15~16世紀で、日本では戦国~江戸初期くらいなので、それほど古くはないです。

準備に4年を費やしたと言うほどの力作展覧会で(通常は1~2年程)、160点あまりの展示品を考古学・人類学・歴史学の最新研究と共に、「インカ帝国」の全貌に迫るという展覧会です!



※ミイラの画像を掲載しています。苦手な方はご注意くださいm(_ _)m



《小型女性人物像》 (16世紀初)

これはとっても小さかったです。ポスターやチラシにも使われているものですが、実物はびっくりするほど小さいです。

わたしは写真で見たときには女性のミイラかと思ってたんですが、(多分)金属製の女性像でした。

織物や飾りは色鮮やかで、とてもきれいです。



《貫頭衣 (チュニック)》

使用されていたものなのか、出土したものなのか、鮮やかさはそれほどなかったですが、いろいろな文様のチュニックがいろいろありました。

シンプルな形なんですね。

ちなみに、模様は「切断された首と腕を表したもの」だそうです(- -;)




ミイラは年代性別違いの4体が展示されていて、その横のスクリーンに人類学観点から監修された研究者の方の説明が流れています。

1体ずつの特徴や状態が、とても分かりやすく説明されています。

生贄というと、現代では残酷な習慣のように感じますが、当時の文明や宗教的な思想の中では、とても純粋で真剣な祈りの表れだと思います。

高地で乾燥した地域なので、ミイラもきれいに(?)というか、上手くできて(?)というのも変な気が…。腐乱することなく、いい塩梅で「ミイラ」として残りますね。

眼球が残っているミイラもあり、説明とも相まって、とても興味深く、展覧会のメインではないでしょうか。



《キープ》

インカ帝国で使われた、紐を結ぶことで数を伝達する方法です。

※実際の展示とは異なります。

結び目の形で数を表しており、それの説明もあわせて展示されていましたが、実際の結び目が小さくて、じっくり見てもよく分からなかったです。

難しいのはそのはずで、インカではキープの専門家を養成する学校があり、4年間も通うんだそうです。

それくらい長く勉強しないと、使いこなせない伝達方法だったんですね。文字がない文明だったので、キープは重視されていたのではないかと考えられます。






イメージ映像や、専門家の説明動画が多く、分かりやすかったです。

これほど大規模な「インカ帝国」に関する展覧会は(おそらく)初めてのことなので、分かりやすい説明、大勢の人が興味を持てる内容、というのを意識した展示・構成になっていると思います。

ポストインカ、インカ帝国がスペインに滅ぼされた後の、その地域に残ったインカの名残のようなものも紹介されていて、それを見るのは初めてでした。

国がなくなっても、長年地域や人々に根付いた文化はおいそれとは消えないものなんだなと感じました。



列ではないのに列になる、というのは東京方面の特色かなと思います。関西人は並ぶのが嫌いといわれ、少ないところから見ようとしますが、東京は並んでもちゃんと順番に見ようとするようです。



一番最後に、コンドルの視点でマチュピチュを見るという3D映像(めがね有り)がありました。映像がとてもきれいなので、リアルで、少し行ったような気分になれます。

マチュピチュは山の頂上付近にあるので、行くまでが大変そうですが、山登りに全く興味のないtanaは、「大変なのいややな~でも行ってみたいな~」と相反する気持ちがあります^^;

世界に類のない遺跡で、世界遺産にふさわしいものだと思います。

インカといえばマチュピチュの美しさがまず注目されますが、それだけでないインカ帝国の様相を知ることができる展覧会で、とても楽しかったです♫

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