2014/10/29

『国宝 鳥獣戯画と高山寺』 於:京都国立博物館





平日に半日余裕ができたので、行ってみることにしました。かわいいですからね^^ 全巻公開ということで、見慣れているのは甲巻だけでなく、見慣れない場面、見たことのない場面を見れると思ったのも理由です。


特別展ではありますが、ほとんど鳥獣人物戯画(=鳥獣戯画)4巻を見せるための展覧会で、前半は高山寺関連のものもありましたが、文書や仏具を見てもあまり興味をそそられず、さっさと後半へ^^;

全展示室の半分を巻物4巻に当てています。



鳥獣戯画全巻に言えることですが、有名なわりに、どのような意図があって描かれたものかはっきりわかっていないそうです。

確かに、お寺に伝わっているものですが、説話や教訓譚でもないし、物語性も特になく、単純に見ていて面白い、というものです。実はそれは重要な点なのかもしれませんが、誰が描いたのか、何のために、ということが判然としないということは、どこかに謎や隠された真実があるのかも?!

研究のしがいがあるでしょうね^^



鳥獣人物戯画 甲巻(部分)

甲巻はよく知られているように、うさぎ、カエル、きつねなどがわいわいがやがや遊んでいる絵巻物です。

建物に入るまでにも10分ほど待ち時間がありましたが、この巻を見るためにもまたさらに50分並びました。平日だったので楽勝だろうと高をくくっていたのですが、なめてました^^;

並んでいる間は壁にはられた修復の方法や様子が書かれたパネルがあり、興味深く読めました。

教科書やグッズやらで見慣れたものですが、本物を見ることに価値があります。

筆の勢い、場面の展開、流れ、絵の面白さも、本物の方がよりダイレクトに伝わってきますし、見入る分、絵の精巧さが際立っています。



鳥獣人物戯画 乙巻(部分)

乙巻には実在のものから空想上のものまで、いろいろな動物が描かれています。 前期に展示されるのは実在の動物が描かれた前半部分で、上記に見られるような龍などの空想上の動物が描かれた後半部分は後期(11/5~)に展示されます。

乙巻に関しては、後半部の方が面白いと思います。



鳥獣人物戯画 丙巻(部分)

丙巻と丁巻は人物が描かれています。甲巻同様、ユーモラスな感じです。ただし絵の上手さは断然甲巻の圧勝です。ラフというか、雑というか、乙巻もなかなか上手なのに、丙巻からは「あれ?」と思うくらい落差があります^^;



鳥獣人物戯画 丁巻(部分)

「小人」を「こびと」と読んでしまいましたが、中央のは子どもが踊っている様子だそうです。面白いのは面白いですが、やはり甲巻が断トツですばらしい出来なので、余計に丙、丁の雑さが目立ってしまいます^^;



鳥獣人物戯画、全4巻。一挙に見れる貴重な機会ですので、待ち時間はありますが、行く価値は充分あると思います。

セットなのに、全然セットに見えないところや、甲巻の上手さ、丙巻、丁巻のラフさなども見どころです。







京博では同時期に『京(みやこ)へのいざない』という企画展もしています。『鳥獣戯画展』が明治古都館(本館)、『京へのいざない』が平成知新館(常設展示館)でしています。

常設館の方は長らく工事をしていて、このほど完成したのでリニューアル記念展示として『京へのいざない』が開催されています。要するに京博の収蔵品から国宝、重文、京都関連のものを展示しています。

建物はすごくきれいで、展示室も広く、天井もとても高いです。

わたしが単にひねくれているだけかもしれませんが、キャプションの内容、特に位置が気に入らないことが多かったです。展示品には文句ないんですが、ほぼ全部右にキャプションがあるのに、たまに意味もなく(ないように見える)左にあると、イライラします。

漆工って書いてあるのに、単にお経の入れ物の箱だったり、金工って書いてあるのに、刀しかなかったり。

趣味が合わないのか、いや単にわたしがひねくれているだけです。注目はそこじゃない、と自分でも思いますが、細かいどうでもいいことが気になります。事件解決には発展しません。



仏像やら絵画やら、教科書で見た作品も多数ここぞとばかりに展示されています。こちらだけでも楽しいかもしれません。

前の古臭い暗い展示室に慣れていたので、明るく大きくきれいな建物が新鮮でした。






京博の前にもいろいろ行ってたんですが、時間が経ちすぎているのもあり、やむなく省略です。

好きで行っている美術館、好きで書いているBlogです。ですが、面白い楽しい展覧会をご紹介すべく、あとは記録にもなるよう、なるべく美術ラベルの記事を書いていこうと思っています^^


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