2013/11/10

『京都 洛中洛外図と障壁画の美』 於:東京国立博物館

photo : tana


SMT東京のため上京した際に、行ってきました。

京都に住んでいるのに、東京で「京都展」を見るというのは何だか変な気もしますが、他にこれというのもなかったので。

京都にいるからと言って、国宝や重文が気軽に見れるわけでもないので、美術館で見るほうが近くでじっくり見れるかもしれません。



《洛中洛外図 - 上杉本 (右隻)》 室町時代 (16世紀)
《洛中洛外図 - 上杉本 (左隻)》 室町時代 (16世紀)

今回の展覧会は出展数が少ないですが、半分以上が重文というどれもがメインになりそうなものばかりです。

そんな中でも一番のメインがこの上杉本ではないでしょうか。国宝です。

《洛中洛外図》は前期・後期合わせて計7つ展示されます。全日程展示される舟木本の他、前期(10/8~11/4)は上杉本・歴博乙本・勝興寺本の4つです。ちなみに、後期(11/6~12/1)は歴博甲本・福岡市博本・池田本です。

こんなにたくさんの《洛中洛外図》を見たのは初めてです。単体で何かをどこかで見たような気はしますがあまり記憶にないので、実質見ること自体初めてと言ってもいいと思います。

どの本でも相国寺や二条城、祇園祭などは描かれていたように思います。わたしなら、ここは行ったことあるとか、こことここはこんな近くないのになとか、ここは昔はこんな様子だったんだなとか、住み慣れた街の絵として見ましたが、東京の人や、昔この絵が描かれた頃の気軽に京都へ行けなかった人達にとっては、都の生き生きとした様子を知ることができるメディアだと思いました。

人が多くてじっくりすみずみまで見ることはできませんでしたが、詳細に隙間なくみっちり描かれているので、画面のどこを見ていても面白いし、飽きることはありません。

4つありましたが、上杉本が一番きれいで華やかで、上手で見やすかったような気がします。



狩野尚信 《桜花雉子図 (二条城二の丸御殿 黒書院二の間)》 江戸時代 (1626年)

二条城には何度か行ったことがあります。とても大きくて広くて華やかな場ですが、建物を見るという感じで、障壁画は通路から遠くて暗いしじっくり見ることができません。重文など貴重なものは見れないことも多いので、その場所にあるというのも意義がありますが、やはり美術館で展示される方がよく見えて、いいかもしれません。

桜や冊はぷっくり盛り上がるように描かれていました。おそらく胡粉で描かれていると思うのですが、大量に使って贅沢だなというのと、どうすればあんなに盛り上がるかな、と思いながら見てました。

剥落してるところもたくさんありましたが、華やかでとてもきれいでした^^



狩野探幽 《二条城二の丸御殿 大広間四の間障壁画》

部屋にある配置に似せて展示してあったので、実際の部屋の雰囲気なんかも軽く味わえました。

展覧会の構成として洛中洛外図→御所→竜安寺→二条城と来ているので、京都観光してる気分にもなりました。




京都にいても見れないような作品をたくさん見れたので、なかなか面白かったです。

大きなスクリーンの展示が多くて、これもまぁそれなりによかったですが、障壁画も大きいのにさらにスペースをとって、会場が広いわりに展示数は少ない印象でした。

京都から行っても、京都以外から行っても、楽しめると思います♪


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