2015/12/09

『大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史』 於:神戸市立博物館 part.2



ちょっと間を明けてしまいましたが、そろそろpart.2を。



第5章 広がる世界



《モチェ文化の壺》 ペルー 100-700年

南米で最初の国家を築いたと言われるモチェ族の壺。副葬品だそうです。5つ展示されていた中で、あぐらをかいて座るこれが一番かわいいと思いました。5つとも味があって、もちっと、まるっとしていてかわいらしいです。



第6章 技術と芸術の革新



《イフェの頭像》 ナイジェリア 1300-1400年初期

アフリカ、驚異のリアリズム、と文句があるように、本当によくできた頭部像です。美しい女性像、まっすぐ装飾された線、意味深な点、豪華な冠。どれをとっても、本当に驚異的です。

アフリカだからどうということはないんですが、世界中どこにでも、リアリズムの追求というか、美しさの表現というのは生まれるものなのだと思いました。



第7章 大航海時代と新たな出会い



《柿右衛門の象》 日本 1650-1700年

かの有名な柿右衛門。明滅亡後、ヨーロッパへの輸出は日本が独占するようになりました。柿右衛門はヨーロッパの人々に特に好まれたようで、たくさん輸出されました。

派手さとどこかしらの奥ゆかしさ、日本らしさを失わない所が、好まれたのかな? なんて、勝手に想像しています。



第8章 工業化と大量生産が変えた世界



《銃器でつくられた「母」像》 モザンビーク 2011年

銃も大量生産される商品の1つです。

モザンビークでは1976年から1992年まで内戦が繰り広げられました。冷戦を背景に、武器や資金が対立する双方に流れ、20年近くにも及ぶ争いになってしまったのだと感じます。

これは、内戦終了後、武器と農具を交換するという平和キャンペーンで集められた銃器を使って、モザンビーク出身の4人のアーティストが作り上げた「母」の像です。



大英博物館には、今も収蔵品が増え続けています。古代の文明の足跡から、現代の技術、現実まであらゆるものが集まる場所が、大英博物館です。

100個に要約するには、大きすぎる、膨大すぎる記憶の集積があります。

だけど、その中から集められた100点の見応えと言ったら、他の展覧会とはまた違った感慨がありました。1つ1つが歴史と文化と人間の存在の証明のようなものばかり。どれも、じっくり見なければならないような魅力溢れるものばかり。

時間を作って、じっくりご覧になることをおすすめします。



《古代エジプトの棺》 エジプト 紀元前600年頃

0 件のコメント:

コメントを投稿