2016/08/24

『ポンピドゥー・センター傑作展』 於:東京都美術館



お盆に東京旅行に行ってきました。今回は美術館三昧。いつもですけど。今回は特に疲れるくらい、たくさん回りました!

まず最初のメインはここ! 昔(10年位前)にフランスのポンピドゥー・センターには行ったことがありますが、今回見ても、懐かしさはなく(昔すぎて)、とても新鮮に楽しく見ることができました^^


今回は展示の方法が面白かったです。1年に1枚、1906年~1977年まで順番に並んでいました。年代ごとに並んでいたらわかり易かろう、と思ってはいたものの、ここまで見事に順番だと圧巻。しかもすべて違う作家で、絵画、彫刻、オブジェ、映像、家具までさまざまな作品、傑作と呼ぶに相応しいものばかり並んでいました。すべての作品に作家の顔写真、名言がついていました。いい言葉もたくさんあって、人柄や作品世界を知る上で、重要だと面白く読みました。



フランティシェク・クプカ 《垂直の面Ⅰ》
1912年

抽象絵画が好き。シンプルであるほど良いけれど、シンプルであるほど、描くのが難しいと思います。実物の方が色もいいです。

垂直と色の関係、この絵と見ているわたしの関係に思いを馳せるのです^^

別に見方を分かっているとかじゃなく、わたしはこんな風に見ているというだけのことで、絵画やアートというものは、ただそれでいいのだと思っています。



ロベール・ドローネー 《エッフェル塔》
1926年

エッフェル塔を描き続けた画家の集大成だそうです。空の青、塔の赤、見上げる視点。とってもすてきな絵です。こういうのが家にあったら、気分も明るく、外国気分も味わえて、おしゃれになりそうです。



アンリ・カルティエ=ブレッソン 《サン=ラザール駅裏》
1932年

スナップショットの名手と言われた作家の作品。工事現場の水たまりを通り抜けようとする最初の一歩の一瞬。この場面だけ見ると、水に飛び込むような気もするし、水の上を歩けそうな気もする。

写真作品は以外と好きで、現実の一瞬なのに、そうではないような感じとか、動いていないのに、動き出しそうな瞬間とか、絵にはない魅力があります。



パブロ・ピカソ 《ミューズ》 1935年

最近ピカソを尊敬しています。突然何だとか、今更とか、自分でも思いますが、やはりピカソは天才の中の天才なのだと作品を見るたびに感じるようになりました。以前は、キュビズムのピカソなんて、どうしてこうなるのか、としか思わなかったんですが。今も分解と再構成の理論は分かりませんが、それができるというだけで、すごいことだと思います。

すっかりBlogで書きそびれた『ピカソ、天才の秘密』(あべのハルカス美術館)もとってもよかったです。天才を再確認したのはそれ以降かもしれません。



ヴァシリー・カンディンスキー 《30》 1937年

30に分割された面にそれぞれモチーフが描かれています。薄い水色と黒の2色のみ。すべて黒で描いた後、水色を塗っています。水色の細い線もそこを抜いて塗り、間を後から水色で塗っているのです。水色で塗りつぶしてから、黒で描いたと思ったら。その方が楽だと思うのですが、楽をして絵が描きたい訳ではないのです。



クリスト 《パッケージ》 1961年

梱包そのものがアートになると、誰が思うでしょうか。中身が作者以外分からない、というのがミソかな、と思ったり。

この方、世界中の色んな物を白い布で覆うパフォーマンスもたくさんしていますね。

なぜこれがアートなのか、ということを考え始めると、ものすごく時間がかかります。ただ通り過ぎることもできるけど、展示されているから見る。ポンピドゥー・センターにあるものだから、すごい。いくら「これはこうだ」と誰かに説明されてもそれはあまり意味がなくて、自分で答えを出すしか、これと向き合うことはできないんじゃないかと感じました。



1945年の壁には作品はなくて、スピーカーからこの年に作られた"愛の讃歌"(エディット・ピアフ)が流れていました。この年は、歴史上忘れることの出来ない重要な年です。これ以降71年、少なくとも「世界大戦」と名のつく戦争はないです。今世界はとても平和だとは言えない状況ですが、やはり1945年は特別な年です。

全部で71作品。戦後71年だからかな、と今書いていて思いました。関係ないかな^^;




この展覧会で知りましたが、リサはポンピドゥー・センターのパイプの中に住んでいるそうです。単なるコラボかと思ったら、お家だったそうで…。絵葉書、絵本などのグッズもショップに売っていて、わたしは例のごとく絵葉書とチケットホルダーを買いました^^

最近、キャラクターものが多くなってきてます。



容量も内容も申し分のない充実した展覧会でした! 現代芸術の宝庫、殿堂、拠点、そんあ感じです。もう一回フランスに行きたいです^^

巡回はしないかもしれません。わたしは祝日に行きましたが、混雑はしておらずゆっくり自分のペースで見れました。若冲展はやばいくらいの待ち時間・混み具合だったらしいのを知っていたので(←理解はあまりできない)、これも人気の展覧会かも、なんせポンピドゥー・センターだからなぁ、などと思っていたら、全然余裕。

とってもおすすめの展覧会です♪



今回の東京旅行、本当にたくさん展覧会に行きました。間に音楽が入るかもですが、しばらく展覧会記事が続きます。


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