5月8日~19日まで京都の高島屋で行われた『武井武雄の世界展』に行ってきました。
ポスターは東京日本橋のものですが、横浜や京都でも行われ、8月には大阪の高島屋でも同展覧会が開催されます。
武井さんは「童画」という言葉を産み出し、こどもの心に触れる絵を目指し創作活動を行っていた画家です。
おもちゃや版画、装丁、デザインなど、さまざまな分野の作品を作っています。
武井さんのことは全然知らなかったんですが、チラシを見て、なんかいいなと思ったので、招待券もあったし行くことにしました。
とってもよかったです! 今まで知らなかったなんてもったいない、と思うほど、独特の世界観が面白くて、好きな画家の1人になりました^^
特に気に入ったのが、《鳥の連作》と題された版画作品のシリーズです。
感動するくらい完璧とも思える構図とデザインで、大変すばらしい作品です! 6点ほどありましたが、どれもかわいくてかっこよくてとってもすてきでした♥
これらの展示の前で10分か20分くらいうろうろしながらじっくり見ました。全然飽きません。
どうしたらこんな作品を生み出せるんだろう、と思いながら見ていました。
曲線と直線の組み合わせで、線の1本ずつ、パーツを1つずつ見たら鳥的な要素はないのに、それらが組み合わさることによって、鳥になり、単純なようでいて複雑な見れば見るほど奥の深い世界が出来上がっていく。
こういう作品をわたしも作りたいと思います。
《イソップモノガタリ 表紙》 |
ペンと水彩で描かれた本の挿絵やイラストが多かったです。かわいらしいですが、どの人物(動物)も自己主張が激しい感じです。
《不思議海峡》 1972年 |
クレヨンを用いた彩色が独特の世界観を感じさせる一端を担っているような気がします。ペンのはっきりした線と水彩のフラットな透明感とは全く違うざらついて重厚感のある色が組み合わさることで、挿絵でもなく絵画でもない「童画」が成立しているのだと感じました。
下2つの画像は、tanaが絵はがきを写真にとってUPしているので、少し画像が歪んでいて、みにくいかもしれません。適当な画像がネットで拾えなかったためです。
武井さんはいろいろな技法に挑戦していたようで、漆の作品もありました。
本の表紙と中のページにセルロイド(だったと思う)に漆と螺鈿をほどこしたものがありました。人魚の螺鈿が施されていて、とてもかわいらしくて、貝の輝きと人魚の神秘性がよくあっていました。
画家が螺鈿をしてみるというのは、めずらしい試みだと思います。
とても良い作品がたくさんあって、その世界観はとても新鮮で、とても面白かったです。行ってよかったです! 大阪にも行きたいくらいです。
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