2013/06/14

『ボストン美術館展 日本美術の至宝』 於:大阪市立美術館



EXOくんに気を取られて遅れてしまいましたが、先週の土曜日に行ってきました。

チラシとか、ポスターにもなってる、龍の絵が見たかったのが一番なんですが、それ以外にもいい絵がたくさんありました。



《普賢延命菩薩像》 平安時代(12世紀中期)

普賢菩薩なんだけど、それよりも霊験の強い感じだと受け取っています。仏画に描かれている象はたいがい変なんですが、これは特に目つきも悪いし、インパクトが強いです。

変な感じが逆にいいんですけど。



《吉備大臣入唐絵巻(空を飛ぶ部分)》 平安時代(12世紀後半)
《吉備大臣入唐絵巻(盗み聞き部分)》 平安時代(12世紀後半)

上は唐人が罠を仕掛けていたので空を飛んで難を逃れるシーンで、下は与えられる試験の内容を盗み聞きしてるシーンです。

絵巻の名前は知っていても、内容は知らなかったので、人と人の間からチマチマ見ただけでも面白かったです。

吉備大臣の活躍をユーモラスに描いた、って言っても、吉備大臣がたいがいズルして唐人を負かしてしまうので、ユーモラスと言えばそうだけど、倫理的にはどうだろうという内容でした。面白いけど^^;

吉備大臣を懲らしめよう、というか殺そうとしてるっぽい唐人相手ですから、正攻法では間に合わないのもあるかもしれませんが。



伊藤若冲 《鸚鵡図》
江戸時代(18世紀後期)

若冲と言えばイコール鶏みたいなイメージが強いですが、鳥全般好きだったんでしょうか。鸚鵡も少し向きを変えていくつも書いているようです。

白くてかわいらしい鳥の図と、枝代わりの派手な模様がマッチしていて、とてもきれいです。



曽我蕭白 《商山四皓図屏風(右隻)》 (江戸時代)
曽我蕭白 《商山四皓図屏風(左隻)》 (江戸時代)

展覧会の最後の部屋が曽我蕭白の作品を並べたものでした。絵巻物と並んで、今回のメインですね。

蕭白はとっても絵の上手い人だと思います。技術的によく描けるなと感心する一方で、どうしてこういう描き方なんだろうと疑問に思うものもあります。

この作品など、まさにそう。右隻の右端の人物は、目が点だし、左隻の人物の後ろ姿の異様さもさることならが、乗っているロバとの関係も曖昧なくらいの不安定さで、崖っぽいシチュエーションとも重なってとっても危うい印象です。

枝のリアルさ、衣服の線の太すぎる線などと比べて、生きているはずの人物が薄くて、弱々しいとは違うけど、危ういという言い方しかできないんですが、そのように思いました。

不思議な絵です。目が点の人物がいるのに、暗い。

最も見たかった龍の絵に気を取られてあまりじっくり見なかったのですが、改めて見てみると、もっと細部まで見ても面白かったはずです。



曽我蕭白 《雲龍図》 江戸時代(1763年)

元襖絵で、八面で1つの作品になっています。襖の場所が離れていたのか、手、頭、鼻、尾のパーツで断絶がありますが、そういうのも気にならないくらいド迫力でかっこいいです。

とても大きいですが、襖として見ると縦の長さが当時の人でもかがまないといけないんじゃないかと思うくらいでした。






今では「日本画の至宝」でも、明治時代はそうではなく、忘れられていたか価値が低く見られていたかして、アメリカに渡っていった作品たちです。

今でも、逆輸入とか言って、外国で先に評価されて後から日本でも評価されるということがありますが、自国のものは自国で先に気づいてあげたいという気もします。

身近にあるから気づかないということもあるし、価値観はそれぞれ違うので、外国人の方が受けるものもあるかと思います。

ただ今回の展覧会の作品に関しては、本当に至宝と呼ぶのにふさわしい作品ばかりで、きれいだし、技術的にも優れているし、すばらしい日本美術を見ることができてとてもよかったです♪

アメリカで日本を詳しくは知らないたくさんの外国の人に見てもらって、日本美術の良さに気づいてくれる人が1人でも多くいたらいいですね♥



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