2012/11/19

『大エルミタージュ美術館展』 於:京都市美術館





日曜日にお友達と行ってきました^^

前から行こうと思っていたんですが、なかなか都合がつかず、12月最初には終わってしまうので、なんとか11月中に行くことができました。



エルミタージュ美術館と言えば、ロシアの女帝・エカテリーナのコレクションで、ルネッサンスから現代まで幅広い作品、しかもいい作品がたくさんある、というイメージです。

今回の展覧会は、副題に「世紀の顔・西欧絵画の400年」と銘打つだけあって、年代的にも作品の内容的にも幅広い作品たちが展示されていて、とても見ごたえのある、楽しい展覧会でした。



Ⅰ - 16世紀 ルネサンス:人間の世紀

レオナルド・ダ・ヴィンチ派 《裸婦》 (16世紀末)

ある意味有名な作品ですが、《モナ・リザ》と似て非なるものすぎて、少し滑稽な気もします。

いや、当時の人は真面目に描いたのかもしれませんが。

ルネサンス期の作品、嫌いではないけれど、宗教的な画題の作品が多くて、あまり親しみを感じません。



Ⅱ - 17世紀 バロック:黄金の世紀

レンブラント・ファン・レイン 《老婦人の肖像》 (1654年)

けっこう好きなレンブラントの作品。この時代にしては、ものすごく写実的で内面までも見透かすようなリアルさです。



ダーフィト・ライカールト(3世) 《農婦と猫》 (1640年代)

個人的にお気に入りの作品です。赤ちゃんを抱いているんだと思って、猫なんてどこにいるんだ、と思ったんですが、猫ちゃんを抱っこしてるんですね。

どんだけ大切なんでしょう。

農民を描いた作品って、貧しさを表現したものか、どこかユーモラスで風刺の効いたものか、どちらかのような気がします。



Ⅲ - 18世紀 ロココと新古典派:革命の世紀

リチャード・ブロンプトン 《エカテリーナ2世の肖像》 (1782年)

エルミタージュ美術館の基礎を作ったエカテリーナさん。血色もよく、自信満々で、いかにも権力者です。

自ら買い付けたり、画家に注文したり、絵画をコレクションしていきました。



ジャン・ユベール 《ヴォルテールの朝》 (1754-1775年)

この作品は、エカテリーナが文通相手のヴォルテール(思想家)の日常を、画家に自ら注文して描かせた作品だそうです。

着替えながら、自らの思想を弟子に口述筆記させる様子です。

ヴォルテールがどんだけすごい人か知らないんですが、いくら文通相手とはいえ、おじさんの着替え(正しくは口述筆記の様子だけど)の絵を見て楽しいかな? と思いました。



フランソワ・ブーシェ 《クピド(絵画の寓意)》 (1750年代末-1760年代初)

ふくふくの天使が、可愛くないったらないです。石膏もそれらしい風合いではないですね。

他にもクピドを描いた作品がありましたが、どれもなぜだか可愛くないんです。みんな目つきが悪いです。天使は可愛くないと!



Ⅳ - 19世紀 ロマン派からポスト印象派まで:進化する世紀

ジャン=レオン・ジェローム 《仮面舞踏会後の決闘》 (1857年)

『ぶらぶら美術・博物館』でこの展覧会が取り上げられたとき、解説の人がこの絵を絶賛してたので、見るのを楽しみにしていました。

とってもすばらしかったです!

ただ1枚の1場面だけで、一連の物語を想像させ、見る人の内面に印象づける絵は、なかなかありません。

仮装してる人物がより一層悲しみを引き立てています。



ジェイムズ・ティソ 《廃墟(内なる声)》 (1885年)

ものすごく怖い…。廃墟に座る2人、きっと心の中で、キリストの受難を思い描いてるんかな? と思いましたが、それにしても怖い…。



フランソワ・フラマン 《1802年マルメゾン宮殿でのパーティ》 (1894年頃)

この作品もお気に入りです。

よく見たら、内容は貴族の男女がお気楽に遊んでるだけなんですが。内容はともかく、画面の雰囲気というか空気感が、写真のようにリアルに感じられました。

きれいで明るい絵です。



Ⅴ - 20世紀 マティスとその周辺:アヴァンギャルドの世紀

エミール=オトン・フリエス 《仏像のある静物》 (1909年)

この布袋さんって仏像じゃないけど。微妙なところですね。神性な像がこんなにっこり笑ってるのは、西洋にはないものなので、珍しかったんでしょうね。

こんなところでお目見えできて、日本人としても楽しい作品でした。



アンリ・マティス 《赤い部屋(赤いハーモニー)》 (1908年)

チラシにも使用された、今展覧会のメインの1枚ですね。

とても大きくて、タイトル通り、赤い色が印象的なすてきな絵です。お気に入りです^^

マティスの作品はいろいろな雰囲気のものがありますが、こういうはっきりくっきりした色合いの作品が好きです。






エカテリーナが集めたものは、全体の一部で、19世紀や20世紀の作品は後のコレクションを引き継いだ人が集めたものでしょうが、良いものばかりよく集めたなと思います。

一度、エルミタージュ美術館そのものに行ってみたいです。寒いの苦手なので、夏のロシアに。



18世紀以前は宗教的な主題のものや、神話を描いたものが多いので、宗旨の違うわたしにはよく分からず、嫌いではないんですが、ちょっと苦手です。

20世紀以降は、画家の自己主張や芸術への問いかけ・実験・冒険が始まるので、たまに美しくないものや、難解すぎるものがあり、これまた親しみずらく、好みのくっきり分かれます。

個人的に19世紀の作品が、ちょうど中間くらいで、宗教要素もそれほど多くないし、でも技術や表現力はより増して、芸術への意欲は多少感じるものの、まだ画家の自己主張は激しくないです。

16世紀~20世紀までの作品を順に見ていて、自分の好みも偏ってるなと改めて感じました。もう分かってましたけど。



見やすい展示方法で、作品もとても良いものばかりで、あと少しの会期しかありませんが、おすすめです^^

芸術の秋です!

ただこの(紅葉の)時期の京都は、とにかく人と車が多いので、気をつけてくださいね。



大事なものを忘れていました!

チェブラーシカ×エルミタージュ

かわいい! チェブとエルミタージュのコラボポストカードです。4枚で600円と少し割高ですが、4枚ともとってもかわいくておすすめです^^

他にも、シールブックやクリアファイル、マグカップなどチェブグッズがたくさんあります。

わたし、知らなかったんですが、チェブっておさるさんじゃないんだそうです。耳の大きなだけのおさるかと思ってました^^;

不思議生物らしいです。

特設ポストもあって、そこに投函すると、チェブとエルミタージュ(←どちらか選べる)の消印を押してくれます。

もちろん投函しました! こういう企画、いろんな展覧会でしてもらいたいですね。


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