2012年4月17日~5月27日 京都国立博物館 公式HP
知り合いの方に招待券をいただいたのでお友達と2人で行ってきました。
近衛家が陽明文庫と呼ばれる(ありていに言えば)倉に納めている逸品を集めた展覧会です。
平安時代から脈々と続く貴族中の貴族である近衛家のお宝ですから、国宝やら重文やらがたくさん出品されています。
その中でも今展覧会のメインとなるのは、藤原道長の日記『御堂関白記』です。
藤原道長筆 国宝 《御堂関白記 (部分)》 平安時代 寛弘5(1008)年 |
平安時代、権力を一手に握っていた道長の自筆ということで、日本史的に最重要の史料だと思います。
貴族の日記というのは、今日のようなプライベートなものではなく、別の誰かに読まれることを前提に書かれた記録のようなものです。
日本は出土品(発掘された品)よりも、伝来品(受け継がれた品)が特に多いといわれています。家の存続を重視し、伝統を重んじる意識が強いため、1000年前の人が書いた記録が今でも読めるのかなと思います。
和紙と墨というのも、保管さえきちんとされていたら、そうそう朽ちるものでもないので、それも一役どころか大いに買っていると思います。
文字には人柄が表れるといいますね。道長さんはあまり字が上手には見えませんでしたが、小さなことにはこだわらないような印象を受けました。
伝藤原行成筆 国宝 《倭漢抄 下巻 (部分)》 平安時代(11世紀) |
画像では分かりづらいですが、料紙(装飾された和紙)がとっても美しいです。細かい文様が書かれているのか、透かしで入れてあるのか、うっすらと見えて、色もとても鮮やかで、1000年前のものとは思えないくらいです。
文字もとてもきれいですね。
和歌や漢詩が記されているので『倭漢抄』と言います。
《賀茂祭絵巻 (部分)》 江戸時代(18世紀) |
5月の京都といえば、葵祭です。正式名が「賀茂祭」です。
この画像のような行列が有名で毎年報道されますが、これは勅旨行列で、天皇のお使いの人がお祭がつつがなく執り行われているかを見に行くための行列で、お祭自体は5月の1ヶ月間続きます。
《銀細工雛道具》 江戸時代(19世紀) |
これらがとーっても小さいんです。大きくても10cm程度だそうで、たいていは5cm前後でしょうか。
小さいのに、とてもリアルな作りで、誰が作ったのか名もなき職人さんたちすごいです!!
この展覧会のチラシには、雛道具について「姫君たちの「カワイイ」がつまっています!」って紹介されていますが、そういうところは学芸員さんがんばらなくていいと思うんです。
かわいいっちゃかわいいけど、何か違う…やっぱりこんなの作れる職人さんがすごいです。
酒井抱一 《四季花鳥図屏風 (右隻)》 江戸時代 文化13(1816)年 |
チラシやバナーにも使われている作品です。
六曲一双の大きな屏風で、金箔地の上に濃くて鮮やかな絵の具で花鳥が描かれていて、とても華やかです。
近代の画家たちの作品も陽明文庫は所蔵しているようで、橋本関雪や竹内栖鳳、上村松園などなど、有名な画家の作品が最後に一堂に展示されていました。
明治以降、没落した貴族(華族)が多い中、天皇家に近く政府内でも重職を務めてきた近衛家は羽振りがよかったんでしょうね。
並んでいる画家たちの名前、珍しくほとんど知ってました。
招待券(無料)だったからか、お友達とお話しながら見たからか、あまり期待していなかったのですが、とても楽しかったです^^
最初のほうは文字史料が多くて、「なんて書いてあるか分かんない~」とか、字の形とか見ながら、わたしは楽しめましたが、平安時代に興味がないと少し退屈かもしれません。
後半になると、絵画作品や工芸品が展示されているので、お人形とかたまにかわいくない顔のもありますが、きれいでかわいいものがあります。
最近の展覧会はお高いですが、「貴族とはどんなものか」を見るのにはいい展覧会だと思います。
葵祭の行列は15日、展覧会は17日まで、合わせてご覧になるのも楽しいのではないでしょうか^^
photo : tana |
博物館前の花壇はつつじが満開で、とってもきれいでした♪
土曜日はお天気もよかったし、少し風が強かったですが、お出かけ日和でした^^
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