『ユベール・ロベール展』 2012年3月6日(火)~5月20日(日) 於:国立西洋美術館
公式サイト→開催中の展覧会 国立西洋美術館
東京旅行3日目に行ってきて、書く頃にはもう終わっちゃいますね^^;
後回しにしてしまいましたが、今回行った展覧会の中では一番きれいで面白くて興味深い展覧会でした!
チラシの絵がきれいだったので行こうと思っただけで、ロベールさん自体はこのとき初めて知りました。
18世紀に風景画家として活躍したフランスの画家で、イタリア留学時代に見たローマ時代の遺跡の建築や彫刻をモティーフにした作品が多いです。
そのため「廃墟のロベール」と称されています。
《スフィンクス橋の眺め》 |
この絵に象徴されるように、古い遺跡の持つ歴史と経年の詩情、現在を貧しい中でも懸命に生きる庶民との対比が、全体を通して描かれていました。
数百年前はローマ教皇や古代の王族などの上流階級の人々が使っていて、庶民が入れなかった建物が、時間が経って使われなくなり荒廃するに任せるままだったところを、普段の貧しい暮らしをする庶民が日々の生活をする場にしている。この変化は時間の不思議というか、まさに「時間の庭」と言う感じです。
《ヴィラ・マダマの洗濯女たち》 (1762年) |
フランス語でサンギーヌと呼ばれる赤チョークで描かれたデッサンがたくさん展示されてました。
粗い線で描かれているのに、全体的には繊細で空気感が伝わってきます。
線のタッチを見ると、画家との距離が縮まるような気がして、デッサンとか下書きを見るのはけっこう好きです。
木々の描き方がいい感じです^^
《ティヴォリの滝》 (1776年) |
迫力があって大好きな作品です。
左上端に半円の建物廃墟がありますが、それをピックアップしたデッサンが隣に展示されていました。
角度を変えた視点で見ることができます。
自然と荒廃した建物の対比も、作品の中に数多く見ることができました。
《ヴェルサイユのアポロンの水浴の木立》 (1803年) |
画家としての活躍にとどまらず、庭園デザイナーとしても作品を残しています。
ヴェルサイユ宮殿の庭園設計にも携わったそうです。作品の風景は今でも残っているそうですから、見てみたいものですね。
ルーブル美術館が収蔵する作品の目録作成・収集・修復など、学芸員みたいな活動もしていたそうです。
《サン・ラザール牢獄の囚人たちの散歩》 |
「国王の庭園デザイナー」の称号も持ち、国王との関わりも深かったため、フランス革命時には1年ほど収監されていました。
その間でもお皿に絵を描いたりして、作品を作っていました。
絵の具とか貰えたんですかね? 囚人の様子や、風景画などがありました。
《古代遺物の発見者たち》 (1765年) |
チラシに使われているこの絵と「廃墟」という言葉に惹かれて見に行きました。
油彩画とデッサンが本当にたくさんあっただけでなく、画家として以外の活動の展示もあり、日本では知られていないロベールさんの初の大々的な展覧会として、とてもすばらしかったです。
どんな作品を作り、どのような活躍をしたのか、よく分かりましたし、「廃墟」好きとして好きな画家の1人となりました♥
廃墟好きなんです^^
ロベールさんがモティーフとして描いていたフォロ・ロマーノやコロッセオなどの遺跡も大好きで、また行きたい場所なので、そこが18世紀にはどんな様子だったのか絵から見ることができて、そういうところも興味深かったです。
全然関係ないですが、タイのアユタヤ遺跡も大好きです(≧▽≦)
ロベール作品を数多く収蔵するフランスのヴァランス美術館が現在改装中で、それに伴い数多くの作品が来日しています。
福岡にも巡回するようなので、お近くの方はぜひ行ってみてください^^
日本では知られていない画家とあって、東京でも、絵画好き・美術好きの人しかおらず、ゆっくり静かに見ることができました。
絵画を見ると、心が落ち着いて、描かれた知らない世界に入り込んで、非日常のあるいは白昼夢のような時間を過ごすことができます。
知らない名前、興味のないテーマと敬遠することなく、とりあえず行ってみるというのも楽しいものです♪
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