2017/08/08

『フィンランド・デザイン展』 於:福井市美術館



現在、福井市美術館で開催されている「フィンランド・デザイン展」に友人と行ってきました。思っていたより、楽しく、興味深いものでした。

福岡、愛知、と巡って来て、9月3日まで福井。その後、府中(東京)、宮城と巡回します。

フィンランド独立100年を記念して行われている展覧会ですが、まだたった100年だったのかと、意外な感じでした。歴史は長いのですが、お隣のロシアやスウェーデンに支配されていた時代が長く、独立まで時間がかかってしまったようです。ですが、ロシア革命の少し前、1900年のパリ万博にフィンランド館を出すことが、独立への足がかりのようなものになり、1917年、独立を果たします。

古くからある豊かな自然、北の厳しい冬、夏の白夜など、フィンランド独特の風土があり、そうした風土から生まれた「自然と人間との調和」のあるデザイン、日常で使いやすく、便利で、明るい、長く愛されるデザインが特徴です。




右側のが何だったかな、忘れちゃいましたが、デザイン画のはずです。左はシュガーポットだったと思います。どちらもシンプルなんだけど、かわいくて、面白いです。色もいいですね。



Marimekko

現在でも世界中で愛されている、フィンランド・デザインの発展期としての礎となったデザイナー3人と、フィンランドを代表する企業ブランド(Marimekko 、Artek、iittala)の2章では、多くの作品というか商品というか、が展示されていました。

マリメッコもイッタラも、日本でもお馴染みと言ってもいいくらい、よく見かけますし、持っている人も多いのではないでしょうか。



アルヴァ・アアルト 《41 アームチェア パイミオ》 1931−1932年
© Artek

アルヴァ・アアルトは建築、家具、食器など、多岐にわたる分野でデザインを手がけています。彼が手がけた家具はアルテックが、ガラス等の食器はイッタラが現在も制作しています。

写真の椅子は合板で作られていて、熱を加えて曲げていきます。曲げる所は貼り合わせないことで、曲げやすくしているそうです。間近で見たら、ほんの少し、聞かないと分からないくらいの僅かな隙間が開いていることが確認できます。

行った日にちょうど、学芸員さんによる解説会があり、参加してみました。その中で聞いた話です。

単純と使いやすさってイコールなようでそうではないと思います。板なので、骨が当たったりすると痛いですが、身体に沿うラインで、座り心地は案外悪くはないです。



iittala

イッタラの食器。赤い丸の中に「i」のマークはよく見るもので、以前から欲しいなあと思っていたのですが、今回、物販でいっぱい売っていたので、ついに1つグラスを買いました^^ 画像の中にある青い色のグラス、ではなく、同じ色で横にラインのついたもの。画像の中のもいいなとは思いましたが、この色がなく、青やピンクが好きなので、違う形の同じ色を選びました。使いやすくて、とても気に入っています。

生活の中で、長く愛されるもの、使いやすいもの、それが特徴というものが、使ってみてよくわかりました。



マリメッコやイッタカのデザインにつけられたシリーズの名前は、カタカナのまま、意味のよく分からないものが多いです。

フィンランド語は独特で、日本語に訳しにくいそうです。フィンランド人には、ニュアンスで分かる言葉らしいです。訳がついているものとないものがあって、どうしてかな、と聞いてみたら、そういう理由でした。



photo : tana

会場の最後には、実際に展示されている椅子に座れるコーナーがあります。写真も撮れます。エーロ・アールニオ氏のボールチェア。ものすっごく居心地がいいです。座り心地というか、居心地がいいという方が合っている気がします。遮音効果が70%らしく、本を読んだり、音楽を聞いたり、居眠りしたりするのに、とてもいいと思います。

ヤフーで12万8千円で売ってたww 案外、高くないかも。いやでも、今買える状態ではないので、まだ買いません。まだ。




エーリク・ブルーン 《サイマーワモンアザラシ》

一番気に入ったのは、この作品です。チラシで見てから、ずっと気になっていて、実際に見てさらに、とても気に入りました。自然保護のためのポスターの原画です。毛の一本ずつ丁寧に描かれていて、どこからどう見ても、かわいらしいアザラシです。



礎を築いた人から、完成させた人がいて、さらに発展させていく人がいる。そうやって続いていくのは、独立後100年だけではなく、それ以前から受け継がれていた精神的な基礎、アイデンティティがあってこそだと思います。



オイバ・トイッカ 《バード》 1997年
© Designmuseo

イッタラの吹きガラスのバードシリーズ。チラシで見た時は陶器かと思いましたが、吹きガラスでした。鳥さんの形をした他のものも色々並んでいます。この画像などは単純なようでいて、模様などを均一に出すのは難しいんじゃないかな。こういうのも、欲しくなります。



ハッリ・コスキネン 《ブロックランプ》 1996年

現在も活躍されているデザイナーさんの作品で、これもとても欲しいです。ベッドサイドに置きたいですよね。わたし今、ベッドじゃなくて、蒲団なんですが。読書灯みたいな感じで欲しいな、と思いました。



絵本 『それからどうなるの?』 トーベ・ヤンソン

そしてムーミン。ムーミンをフィンランド・デザインのカテゴリに入れるのは、少し迷ったらしいですが、フィンランドとムーミンは今や切り離すことができない、国民的キャラクターになっているので、出さずにはいられない存在らしいです。フィンランドに行けば、街のいろんなところにあるらしいです。日本で言う、アンパンマンみたいなものでしょうか。

そして、図らずも、ムーミンのTシャツを着て行ったわたし…。図った訳じゃないんですが、ムーミン好きって思われたかも^^; 好きだけども。ポストカードをまたしても大量に買ってしまいましたけれども。



この展覧会を見て、フィンランド・デザインがいかに日本にまで浸透しているかが分かりましたし、世界中で愛される理由がわかりました。そして、フィンランドに行きたくなりました!

気候が厳しい土地なので、カラフルで華やかな色合いのものが多く、長く愛される、使いやすいものを、という基礎があるので、どのような形になっても、どんなものであっても、誰にでもマッチするものなんだと思います。

知っているようで知らなかった世界でした。とても面白かったです。物販が豊富なので、ポストカード、食器、テキスタイルが好きな人は注意してください。そして、ボールチェアには必ず座ってみてください^^



photo : tana

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