先日UPした『ホイッスラー展』と同じ日に見てきました。美術館はお向かい同士でとても近いです。ホイッスラー展は終わってしまいましたが、半券割引は継続中だそうです。
同じくジャポニスムがテーマです。そしてほとんどチラシにもなっている《ラ・ジャポネーズ》のための展覧会と言っても過言ではないくらいです。
ボストン美術館(=ボ美)が所蔵する浮世絵もたくさん展示されていました。版がとてもきれいなものばかりで、さすがだと思いました。
クロード・モネ 《ラ・ジャポネーズ (着物をまとうカミーユ・モネ)》 1876年 |
わりと早めの段階で出てきます。とても大きい作品で、モネにしては丁寧に細部に至るまで書き込まれています。
痛みが激しく、最近まで修復作業が行われていました。ボ美の展示室の一画を区切って、作業の様子が一般客にも見えるようにしていたそうです。修復はたった1人でしました。すごいです。
こんな派手を通り越していかつい着物が本当にあったのかな? と思いますが、赤い色が印象的です。
あからさますぎる日本趣味の絵ですが、なかなかいいと思います。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》 1889年 |
やたらと長いタイトルのゴッホ作品。これも背景の花などが歌川国貞・歌川広重の浮世絵に影響を受けているそうです。
子守唄もゆりかごも全然感じられませんが、多分夫人が手に持っている紐がゆりかごにつながっていて、時折引っ張ってゆらしているという絵なんでしょう。
ジャポニスムはいいんですが、花が唐突すぎて壁紙にも見えないし、一方向に傾いていて、茎や葉が刺さるようです。
やっぱりゴッホはあまり好きません。でも多分、《ラ・ジャポネーズ》とともに、この展覧会のメインの作品です。
モーリス・ドニ 《私たちの魂はゆっくりとした動作の中に》 版画集『アムール(愛)』より 1898年 |
ドニは大好きです^^ 油彩画しかほとんど見たことがなかったので、版画があるのは知りませんでした。色使いや雰囲気は、油彩でも版画でも同じですね。柔らかい感じが好きです。
チャールズ・キャリル・コールマン 《つつじと林檎の花のある静物》 1878年 |
本物はもう少し白っぽくて澄んだ感じです。画像はくすんでますね。
繊細に描かれた花の絵で、とてもきれいで気に入りました。バックに円形の文様のようなものが線描きされているのですが、これが薄いのでこのままでいいのか、さらに書き込む予定だったのか判断に迷います。
ですが、改めて見てみると、これはこれでいいのかもしれません。
アーサー・ウェズリー・ダウ 《沼地風景》 1900年頃 |
写真作品もありました。青写真。上の方に水平線があって、構図的にもとてもきれいです。
ダウさんはホイッスラーに影響を受けた人だそうです。構図などにも日本美術と類似性があるとか。
ホイッスラーの記事の時にも書きましたが、そもそもジャポニスムとは何か? という疑問がここでも登場。日本美術に影響を受けたホイッスラーの影響を受けていて、構図が似ている、というだけでは、ダウさんが直接的に浮世絵や日本画の構図を真似たという証拠はないのかな? と思って、それだったら、ジャポニスムのくくりにするには遠すぎるのではないかと感じます。
となると、似てたら何でもジャポニスムなのか、ということになり、それも何か違うような。
これはこれできれいで好きですが、ジャポニスムなのかと言われれば少し疑問を差し挟む余地があります。
アンリ・リヴィエールという人の作品がありました。展示作品の画像は探しだせなかったんですが(そもそもあまり覚えてない)、この方、フランスの浮世絵師と呼ばれる人で、北斎に傾倒し、オマージュとして「エッフェル塔三十六景」を制作しています。
展示作品はそれではなかったので、どうせなら、エッフェル塔の作品を見たかったなと思いました。
展示作品よりエッフェル塔の浮世絵(多色摺木版)がたくさん出てきて、展覧会も過去に行われいていたようだし、こちらのほうが面白そうです。
全体的に日本画、浮世絵、洋画とたくさん見れて面白かったですが、やっぱりジャポニスムが何かはよくわからないまま終わってしまいました。何でもジャポニスムでいいんでしょうか? 日本と西洋のハイブリットは独特の雰囲気があって好きなんですが、考えれば考えるほどよく分からなくなってしまったので、あまり考えないことにします。
いつも通り、この絵好き、嫌い、まぁまぁ、の判断基準で行きます。
キティさんが仕事を選ばないというのはよく聞く話ですが、この子も仕事を選ばなくなってきたんですかね。男の子かとイメージしてたんですが、着物きてます。
今の時期(紅葉の時期)、京都は殺人的に人と車が多くて大変ですが、行く機会がある方はご覧になってください^^
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