2014/11/17

『ホイッスラー展』 於:京都国立近代美術展



16日まで京都の近美で開催されていた展覧会です。最終日に行ってきました。まだ余裕と思ってたら、あっという間に最終日^^;

お向かいの京都市美術館で開催中の『華麗なるジャポニズム展』と合わせて行きましたから、それも後日UPします。



ホイッスラーは単品ではいろいろな展覧会に出展されているのを見たことがありますが、まとめて見るのは初めてです。

ジャポニズムの画家とも思っておらず、特に強い印象を持っていた人でもなかったので、今回まとめて見て、好きになりました^^

とってもよかったです!



第1章:人物画



《灰色のアレンジメント:自画像》 1872年頃

ホイッスラーはアメリカ生まれで、後にフランスとイギリスで活躍した唯美主義のリーダー的存在の画家です。ジャポニズムの代表的な画家でもあります。19世紀、パリやロンドンにいたダンディな伊達男の代表のような存在でもあったようです。→参照



《ライム・リジスの小さなバラ》 1895年

すごくかわいい女の子。澄ましているのか、退屈しているのか、少しムスッとしているのがまたいいです。

ホイッスラーは人物画が多く、しかもどれも味があって、とてもよいです。単にそっくりに描くというよりは、そっくりでありながら、構図や色使いが独特で、面白いです。



《バルコニーの傍で》 1896年

今まであまり知らない画家だったので、油彩画しか見たことがなく、版画や水彩画などもあることを今回の展覧会で初めて知りました。

技法の違いなどはよくわかりませんが、鉛筆風の線が柔らかく、省略された中にも雰囲気があり、版画作品もとても気に入りました。



第2章:風景画



《肌色と緑色の黄昏:バルパライソ》 1866年

とてもすてきな海景作品です。柔らかくて優雅な感じ。肌色が何を指すのかはわかりませんが、海の色も空の色もなんとも言えない色合いです。

こういうなんとも言えない色は大好きです^^

この絵のお隣には、ホイッスラーが初めて描いたという海景がもう1点展示されていましたが、色が鮮やかな原色のような色合いで、本当に同一人物が描いたものとは思えませんでした。初めてだから、自分なりに解釈できずに、そのまま濃く描いちゃったのかな? という感じ^^;

ブルターニュの海岸(ひとり潮汐に)》という作品。贋作じゃないかとまで思いました。浮いてました。



第3章:ジャポニスム



《ノクターン:青と金色 - オールド・バターシー・ブリッジ》 1872-75年頃

歌川広重の《名所江戸百景 - 京橋竹がし》に影響を受けた構図の作品。他2点ほど、ホイッスラーの作品と、影響を受けた浮世絵が並んで展示されていました。比べるとわかりやすくてよかったです。

ですが、どこらへんがジャポニスムかな? と思う作品も多々ありました。構図や持ち物など、何かしら浮世絵っぽいところ、日本っぽいものがあればじ「ジャポニスム」となるのかもしれませんが、だとしたら、19世紀ヨーロッパ絵画でジャポニスムじゃない作品と言えるものがあるのか? という疑問も浮かびます。あるとしたら、アカデミックな、今現在まで名前が知られている画家たちを否定していた人たちの絵しかないのではないかと思いました。

まぁわたしの知識なんてたかが知れいているので、どっかにあるのかもしれませんが。それくらい、なんでもジャポニスム、な感じがしました。



《ノクターン:ソレント》 1866年

とてもきれいで儚い感じもして、とても好きですが。

ジャポニスムって何でしょう? わかっているようで、全然わかっていなかったということを、確認しました。かと言って、本格的に勉強する気はあまりありませんが^^;



ホイッスラーの使っていたサインは、単に名前を綴ったものもありますが、家紋をヒントにしてイニシャルを織り込んだオリジナルのマークを用いることもありました。

絵を見ていて、変なマークが毎回出てくるので、何だろう? と思っていたら、サインでした。最初汚れかと思っていました^^;

ホイッスラーが日本から影響を受けていたことは間違いありません。



あと、ジャポニスムの章のあたりに、ホイッスラーに関するエピソードを書いたパネルがありますので、是非読んでみてください。横浜でもあるはず。ぶっ飛んでいて面白かったです。

名誉は大事ですが、本末転倒というか、元も子もないというか。



油彩以外の作品もたくさん見れたし、たくさんの作品を間近で見ることで、どんな風に塗っているのか、タッチなどもよく見れて、興味深かったです。全体的に筆跡があまりなくフラットな感じなので、薄塗りのような印象もありましたが、全体にしっかりと塗り込めていました。本物を見る醍醐味ですね^^

京都での展覧会は終わってしまいましたが、12月6日から翌年3月1日まで横浜美術館で開催されます。

日本での本格的な回顧展は30年ぶりということですから、興味があればご覧になることをおすすめいたします^^


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