2014/08/13

『特別展 台北 國立故宮博物院』 於:東京国立博物館



8月上旬、関東へ行く用事ができたので、ついでに東京へも寄って美術館めぐりをすることにしました。まぁぶっちゃけ、「その用事を入れたら、美術館も行けるな」という計算があったことは否定できません^^;

用事は、わたしにとってとても重要で大変有意義なものでした!



さて、『國立故宮博物院展』(以下、『故宮展』)です。

友人が行きたがっていたもので、わたしは最初あまり興味があったわけではないんですが、というか「むしろ台湾に行って見たい」と強く思っていたので、東京で見るのもなぁなんて、単にひねくれていただけなんですが、台湾になんて気楽には行けないし、東京へ行く機会があるのだから、やっぱり見ておこう、ということで行くことにしました。←長い



チラシにある白菜(正式名《翠玉白菜》)は展覧会の初日(6月24日)から7月7日までの限定公開だったので見ることはできませんでしたが、それがなくてもとっても良い展覧会でした^^

いいのもがたくさん! さすが皇帝が集めたり、皇帝への捧げ物だったりするものは、豪華さや繊細さ、手間のかけ方が違います。ものすごく見応えのあるものばかりでした。



汝窯 《青磁楕円盤》 北宋時代(11~12世紀)

徽宗という中国の皇帝のコレクションの1つです。青磁を好んだそうで、画像は少し色が悪いですが、実物はとてもきれいな青磁特有の青い色です。

形もすごくきれいです。白磁もすてきですが、わたしは青磁の方が好きです^^



《双龍彫彩漆長方盆》 明時代(1589年)

意外とと言うか、あまり予想してませんでしたが、漆の作品も多数ありました。

ほとんどが彫漆(チョウシツ)でした。文字通り、何十回と漆を塗り重ね、乾かした後、文様を彫り出す技法です。わたしはやったことがありません。そもそも彫刻ができないんですが、彫る段階で失敗したら、と思うと…怖くてできません。

彫漆をする人は、どこらへんまで彫ればいいかが、感覚でわかるそうです。色漆を用いている場合は、どこまで彫ればどの色が出るかが、わかるそうなんです。修行の賜物ですね。

塗りも厚くてきれいだし、彫りもとてもすばらしい作品ばかりでした!



牟益 《擣衣図巻 (部分)》 南宋時代 (1240年)

掛け軸などの絵画もすてきでした。こちらは巻物で、画像は一部分のみです。色が写ってないんではなくて、白描画と言って、線とほんのすこしの墨の濃淡だけで描かれている作品です。

夫のために衣を用意する奥さんたちの様子を描いています。理想の女性像だそうです。

この線がとても細くて繊細で、絵自体がきれいなのもあるんですが、線の美しさもとても見どころがあります。



《紫檀多宝格》 清・乾隆年間 (1736-95)

個人的に気に入ったのがこちら。高さ20cm程度の紫檀のからくり箱に、様々な時代の文物のミニチュアが30個、きっちりと収められています。

陶器や玉、巻物など、本当に様々なものです。1つ1つがとてもきれいで、ミニチュアといえども精巧で、逆にミニチュアでびっくりなくらいの美しさでした。

「皇帝の玩具箱」と言われているそうですが、こんなのほしいです♡



《人と熊》 18-19世紀

故宮の癒し系アイドル文物です。すごいかわいい^^ そして小さい。多分5cmもあるかないかくらいじゃないかと思います。

力比べをしているそうですが、どう見てもダンスですね。パロディの絵葉書がありました。

展覧会の順路の最後に展示されています。展示物がたくさんあって、疲れますが、最後に癒やしが待ってます。



とってもよかったです! 行ってよかった^^ 3時間くらい見てました。東博は広いです。

キャプション(作品名などが書いてあるもの)も見やすくよかったです。作品名の上くらいに、ポイントが一行書いてあって、それがどういうものかや、見るポイントなどが、すっと入ってきます。今までこのような書き方はどの美術館にもなかったので、とてもよい試みだと感じました。



次はぜひ台湾に行って、白菜や角煮も含めてたっぷり見たいと思います!






キティさんが白菜とコラボしていた。青磁碗に入っている中華風キティさんもいた。さすが仕事を選ばないと評判のキティさんだけど、久々のインパクト。頭に虫いるよ! いやぁ、さすがです。

ぷくぷくシール、思わず買っちゃいました。



それはそうと、今回東京で3つ展覧会に行きました。1日3つはやはりしんどかったですが、選べなかったので。

この『故宮展』の他に、三菱一号館美術館『ヴァロットン展』と国立新美術館『オルセー美術館展』です。こちらも後日レポ書く予定です。


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