2012/12/30

『ホキ美術館名品展』 於:阪急うめだギャラリー


知り合いの方に「よかったよ」と教えてもらった展覧会に行ってきました。

普段、外国の少なくとも100年以上前の絵画作品を見ることが多いし、そちらの方が好きなので、現代の写実絵画は見たことがありませんでした。

「ホキ美術館」、外国の美術館かと思ったら、千葉県にある保木将夫さんが館長をしている美術館です。

ホキ美術館公式HP

チラシにも書いてありますが、初の巡回展だそうです。



森本草介 《横になるポーズ》 (1998年)

写実絵画というのですから、細部まで丁寧に書き込まれています。髪の毛も1本1本、どれだけ細い筆で描いているんだろう、と思うくらい細く描かれています。



原雅幸 《ナローカナルのボート乗り場》 (2007年)

風景画などは、遠目に見るとまるで写真のようです。

だけど決定的に違うのは、人の目で見た風景のままであること、遠くの細部にまで焦点があっていることです。

どんな写真でも、レンズを通す分、実際の人の目で見る雰囲気とは違ってきます。

どれだけ精巧なレンズでも、「1枚」何かがある感覚なんですが、写実絵画は目で見たものを再現しているので、とても鮮やかだし、写真よりもその場の空気が伝わってくるように感じました。

光の具合がとても味のある風景で、お気に入りの作品です。



大畑稔浩
《瀬戸内海の風景–川尻港》 (2003年)

不思議な色合いの作品です。ハイライトがきつい写真のようでした。

黒いところは墨でも使っているように黒くて、でも青い色が澄んでいてきれいです。



五味文彦 《あかいはな》 (2010年)

お気に入りの作品です。4つ整列しているのがいいですね。

実物はもう少し白っぽくて、一回り大きいです。

ガラスを描くのが得意な画家さんらしく、質感がとてもリアルできれいです。



どの作品も、きれいで細かく描かれていて、遠目で見ると写真のようでした。だけど、近くで見ると筆のあとも残ってるし、絵の具が盛り上がっているところもありました。

そういうところが細密画と写実画の違いかと勝手に想像して納得。細密画もあまり見たことないのに。

こういう作品を見たことがなかったので、新鮮でとてもよかったです。

千葉のホキ美術館は、作品を自然光で見れるような建物になっているそうなので、そちらにも一度行ってみたいなと思いました。


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