12月7日の金曜日午後、お休みを取って行ってきました。
土日はやばいくらい行列ができると聞いたので、でも行きたいし、ということで平日に行くことにしました。
待ち時間もなく、会場に入れました。中にはたくさんの人がいましたが、混雑しているほどではなく、まぁまぁゆっくり見ることができました。
折しも、6日から神戸ルミナリエが始まったので、ちょうどいい時に行けたと思います。
第1章 美術館の歴史
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バルトロメウス・エッヘルスによる模刻 《ヨハン・マウリッツ胸像》 (1986年/原作:1664年) |
「マウリッツハイス」は「マウリッツさん家」という意味で、美術館の建物は元々マウリッツさんの邸宅でした。
それを美術館にしていますが、近年いろいろと家を美術館にしていることの不具合が出てきたようです。ちょうどお隣の建物が空家になったこともあり、そこを買い取って、美術館と1つの建物にする改修工事が現在行われていて、それに合わせて、美術館の収蔵品が来日しています。
マウリッツさんは軍人さんということで、この像も鎧を着ています。
肩当が象になっています。象は実際には強い動物ですが、それよりもダンボの影響もあってかわいいイメージがあるので、鎧に付いているのは不思議な感じがします。
第2章 風景画
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ヤン・ボト 《イタリア風の風景》 (1645年) |
実物はもうちょっと色味が豊かなんですが、見つけた(比較的)きれいな画像は、大分セピアがかっていて、少し印象が違います。
ローマに留学して絵を学び、帰ったあとも、同じテーマでいくつも絵を描いているようです。
どこら辺がイタリア風なんだろうと思いましたが、オランダは平地で高い山がないそうなので、起伏のあるところがそうなのかな? と思いました。
第3章 歴史画
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ペーテル・パウル・ルーベンス 《聖母被昇天(下絵)》 (1622-1625年頃) |
「フランダースの犬でネロが見ていた絵」としてすっかり(日本だけで?)有名な絵です。
この時代の画家は弟子を多く抱え、絵画は師匠と弟子が共同で描くことがほとんどなので、ルーベンスの作品とは言え、ルーベンスが筆を入れているところは少ないと思います。
しかし、下絵は、絵の構図構想ですから、ルーベンスがそのほとんどを手がけているという点で、とても重要な1つの作品です。
下絵ですが、影やシワの部分も細かく描かれていて、色の濃淡もはっきりしているし、本作より小ぶりで見やすい分、こちらの方が好きです^^
本物見たことないのに。
第4章 肖像画と「トローニー」
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ヨハネス・フェルメール 《真珠の耳飾りの少女》 (1665年) |
この展覧会はフェルメールに始まり、フェルメールに終わる、あるいはフェルメールのための、と言えると思います。
1章~3章まで20作品を展示している部屋と同じ広さの部屋の半分を使って、この1点を展示しています。
作品の目の前まで行けるよう蛇行通路があって、日時にもよると思いますが、5分~10分で最前列に行けました。列は徐々に進んでいくので、正面で見れるのは数秒ですが、それでも1度は正面で見てみるべきです。
有名だからいい作品、ではないと思いますが、これは文句なくとてもすばらしい作品です。
筆致の荒さと精緻さが絶妙にマッチしていて、黒い吸い込まれるような背景も、中央に光る唇と耳飾り、黄色の面積の方が多いにもかかわらず、目を引く青いターバンもすばらしいです。
どの角度から見てもすてきです♪
列に並ばず、次の部屋へ続く通路のようなスペースから見ることもできますが、彼女が来日する機会は滅多にないし、並ぶことをおすすめします。並んでる途中でも見れますから。
女優さんやらモデルさんやらが、この絵と同じ構図で写真をとってますが、それらはあまり意味がないと思います。
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レンブラント・ファン・レイン 《羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー》 (1635-1640年) |
実在の人物を描く「自画像」ではなく、モデルに依らず自由に描く人物像を「トローニー」というそうです。
「異国的人物像」とも説明されていますが、必ずしも実在する人物ではないため、どこか不思議で捉えどころのない雰囲気を醸しだし、そこを「異国的」と感じるかもしれません。
レンブラントの絵は背景がいいと思います。
飾り気のない、ただの壁のようですが、光と影が描かれていて、人物と同じように表情を持っていると思います。上手く書けませんが、ただの壁ではないと感じます。
第5章 静物画
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カレル・ファブリティウス 《ごしきひわ》 (1654年) |
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アードリアーン・コールテ 《5つのアンズのある静物》 (1704年) |
この2つの作品は17世紀頃の油彩画とは思えない作品ですね。
モチーフや構図もとてもシンプルで現代的な印象です。昔の絵画は、無駄とは言わないけれど、いろいろと装飾過多だと思うので。
そのもの1つしか描いていないのは珍しい感じがしました。新鮮で好きな作品です。
第6章 風俗画
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ヤン・ステーン 《親に倣って子も歌う》 (1668-1670年頃) |
タイトルはことわざだそうです。
子供の洗礼に合わせて、親たちがどんちゃん騒ぎして、居合わせた子供も真似してお酒を飲んだり、パイプをすったり…。いいのか?
日常の風景の1つなのかと思いますが、人物の顔も歪んでいるように見えるし、あまり美しい絵ではありません。
最後の1枚だったので、もうちょっと気持ちよく見終わりたかったですね^^;
あまり大きな絵もなく、展示数も少なかったですが、なんといってもメインがフェルメールですから、トータルすればなかなかいい展覧会でした。
ともあれ、行く方は平日に行くことをおすすめします。
特に絵に興味がなくて、並ぶことが苦でなければ、ルミナリエのついでに休日に行ってもいいと思いますが。
わたしは並ぶのが嫌いなので^^;
フェルメール、日本で大人気なので、比較的展覧会が組まれることが多いですが、《真珠の耳飾りの少女》が見れるのは、なかなかないので、この機会に是非どうぞ♪