2014/03/28

『ザ・ビューティフル 英国の唯美主義 1860-1900』 於:三菱一号館美術館





東京に行ってきました。行く4日前くらいに「ラファエル前派展」についてのテレビを見まして、東京でしか見れないということなので、「見たいな~行こうかな~よし、行こう!」くらいのノリで行くことに。

島根旅行の方が1ヶ月前くらいに先に決まっていたし、1日しか空きがないのでしんどいかもと思いましたが、まぁ大丈夫だろうと深く考えず。

でも、行ってよかったです! 「ラファエル前派展」もそうですが、それと合わせて「ザ・ビューティフル展」も見れて、より理解(←知識的なこれでなく)が深まったと思います。



唯美主義というものも知らず、またタイトルも前半の「ザ・ビューティフル」しか認識してなかったので、見た目きれいなものが並んでるのかと思ったら、大きな誤解でした^^;

唯美主義とは、醜悪や物質万能主義、凡庸を嫌い、「芸術のための芸術」、見る人の目を楽しませるための存在としての芸術を目指した運動、ということのようです。

完全に理解しているわけではないので、多少違うかもしれませんが、tanaはおおよそこのように思っています。



フレデリック・レイトン 《パヴォニア》 1858-59年

初めて知る画家さんが多かったです。レイトンさんもその1人。唯美主義自体ほぼ初めて見るので、それも当然ですね。

見た目がきれいな絵で、部屋に飾っても美術館で見ても良いと思います。

「ただ美しく」という名前の運動に参加している人なので、タッチも雰囲気も豪華で美しいです。けれど、画面の中からこちらを見る視線や髪の毛の艶、ポーズの不思議さなど、美しい中にも見ていて飽きない魅力があります。



ジュリア・マーガレット・キャメロン
《お呼びください、わたしはついて参ります、ついて参ります、どうか死なせてくださいませ
-メアリー・ヒリアーの肖像》 1867年

写真作品です。長いタイトルですが、古い物語のようで、横顔の美しさにそれだけではない奥深さを与ええているようです。

写真ですが、絵画のようです。



ジョージ・フレデリック・ワッツ 《内奥の世界の住人》
1885-86年頃

何とも美しいというか妖しい作品。羽根とラッパのせいか天使とも言われるらしいですが、天使にはどうしても見えません^^;



ジョージ・フレデリック・ワッツ 《愛と死》 1877-87年

同じくワッツさんの作品。こちらも何だか妖しげな雰囲気ですが、《内奥の-》に比べると優しいです。どちらかが「愛」でどちらかが「死」なんだろうか、羽根っぽいのもあるし、男の子は天使だろうか、といろいろ想像できます。



アルバート・ムーア
《客間の孔雀文フリーズ下絵-ロンドン、バークリー・スクエア15番地》 1872-73年

扉の上の装飾の下絵。本来の位置が扉の上ということで、展示されていた位置も見上げるほど上の方にありました。

実際の高さでしょうか。間近では見れませんが、まぁ良い趣向かなと思います。でも気づかない人もいるかもしれません。

下絵でもとてもきれいでした。



アルバート・ムーア 《真夏》 1887年

チラシにもポスターにもなっている本展メインの作品です。いつのどこか、という具体的なものはなく、気だるげに座る女性と扇子であおぐ女性たち。

落ち着いた構図とオレンジの色が新鮮で、とてもすてきな作品だと思いました。展覧会のメインにふさわしい、ただただ美しく優雅な作品だと思います。






こちらの展覧会にもバーン・ジョーンズやロセッティなどの作品が展示されていました。東京行きのメインは「ラファエル前派展」でしたが、そこから続いていく「唯美主義」の展覧会も見れて、とてもよかったです。

この流れは自分でも意識していませんでしたが、見ていて楽しかったし、結果的にとても勉強にもなりました。

この2つの展覧会はセットで見るのがいいかなと思います。


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