SJのファンクラブイベントで上京した際に見てきました。もう、1ヶ月前ですね^^; 会期も終わってしまいましたが、せっかくなので、書きたいと思います。
とても見応えのある、いい展覧会でした。
プラド美術館が所蔵する中世から近代までの絵画を、時代別、主題別に章立てていて、見やすく、分かりやすかったです。スペインを代表する画家、ゴヤは1つの章にして、いままで(tanaが)あまり見たことがなかった作品で構成されていて、イメージが広がった気がします。まぁ、今までが知らなすぎたこともあります。よくあることです。
気に入った絵をいくつかだけ。
ヒエロニスム・ボス 《愚者の石の除去》 1500-10年頃 |
ボスの作品は、嫌いとも言えないけれど、好きとは言いづらい雰囲気があります。ちょっと怖いというか、変な生き物が多く出てきて、独特の画面が広がっています。
この作品は、変な生き物こそいないけれど、題材といい、登場人物といい、なんとも言えない一場面です。
騙されるお人好し、騙す愚者、という構図。
背景にも、小物にも、人物の格好にも、文字にも、すべてにメッセージ、意味があって、すごく深く読み込める絵画です。
テレビで、これの解説を聞いていなかったら、何の絵かさっぱり分からず、キャプションを読んでもふーんくらいだったかもしれません。
絵を見るのに予習は嫌いなんですが、ある程度の知識も必要かな、と感じました。でも、先入観は持たないほうが良いという主義です。
ディエゴ・ベラスケス 《スランシスコ・パチェーコ》 1619-22年 |
モデルとなったのは、ベラスケスの師であり岳父でもあるそうです。
襟巻きがとても豪奢で、柔らかそうで、透け感もあって、ベラスケスの力量、技量に改めて感嘆しました。
バルトロメオ・エステバン・ムリーリョ 《ロザリオの聖母》 1650-55年 |
黒い背景が2人を際立たせて、美しく見せている絵です。
ロザリオというのは、キリスト教で用いる数珠のことを指すのだと思っていましたが、「祈り」そのものの意味もあるそうです。
カルロ・マラッティ 《眠る幼子イエスを藁の上に横たえる聖母》 1656年 |
こちらも聖母子。丸い画面のとてもきれいな絵です。イエスにスポットがあたっているというよりも、イエス自身が光っていて、聖母を照らしているという感じがします。
筆致も見えますが、とても丁寧に描かれた、柔らかい印象です。
ディエゴ・ベラスケス 《ローマ、ヴィラ・メディチの庭園》 1629-30年 |
メディチ家の庭にしては、扉(?)の建て付けとか雑だな、と思いましたが、17世紀のリアルな風景画というのは、珍しいようです。庭にイーゼルを立てて描いたと、冒頭言及したテレビで言っていました。
外で描くと言えば、印象派。それよりも200年近く前にしていた人がいたのですね。しかも、ベラスケスの作品。
並んだ絵画の中でも、少し印象が違いました。
フランシスコ・デ・ゴヤ 《アルバ女公爵とラ・ベアタ》 1795年 |
せっかくなので、ゴヤから1点。後ろ姿がアルバ女公爵で、のけぞり杖を持った老女が、ラ・ベアタ=信心深い女性。
呪術に用いる珊瑚の飾りをかざして、ラ・ベアタをからかっている、というか脅している絵です。
18世紀には、迷信を信じる人もいれば、それを嘲笑う人もいる、ということでしょうか。妄信的な人が滑稽に思える、先進的な思考の人もいたのでしょうか。そんなことかと想像して、絵を見ていました。
後ろ姿だけなのに、ものすごく意地悪な顔の美女のイメージが湧いてきます。
マリアノ・フォルトゥーニ・イ・マルサル 《日本式広間にいる画家の子供たち》 1874年 |
画家が急死したために、未完成となった作品ですが、構図というか色合いがとても印象的で、未完でも完成度の高い作品だと思いました。ちょっと、言葉は変ですが。
緑、青、赤、強い色が、薄いブルーグレーの壁に映えていて、とてもきれいです。
画家は、光の研究をしていて、それに基づき、自由に制作をしていたそうです。
時代ごとに並んでいたので、見やすく、時代の変遷なども仄かに感じたりして、とても面白い、楽しい展覧会でした。
「◯◯美術館展」というのは、さまざまな時代のいろんな作品が見られるのでいいですね。お国柄なども感じられたり、それほど有名でない画家の作品も来たり、いろんな楽しみがあります。
ミュージアムグッズでは、今回はポストカードが2枚組150円でした。全体図と、その一部を切り取った拡大図のセット。お得なのか、無駄なのか。面白いっちゃ面白い試みですが、1枚で100円とかそれくらいの方がわたしは良いです。
スペインでよく飲まれていのかどうなのか、白ネギのスープがあり、ものすごく気になったので買ってみました。そういうものは普段買わないのですが、ネギ大好きなもので。ネギと思って飲めばネギの風味。美味しかったけど、わたしには塩辛く感じました^^;
とまぁ、ちょっと遅れたけど、レポでした。こういうものは、できるだけ、会期が終わる前にUPしたいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿