先週行ってきました。
絶対行きたい、というほどの思い入れはなく、単に有名な画家で名前はよく聞くけど、まとまって作品をちゃんと見たことがないな、と思ったので、行くことにしました。招待券を持っていたのが大きいですね。
まぁ、そんな消極的な理由で見に行ったんですが、なかなかよかったです^^
半分以上はデッサンや下絵だったんですが、たくさんあるということは、それだけ基礎がしっかりしていて、絵になる前の土台を丁寧に作っていったという証です。
丁寧に描かれた作品だからこそ、見る人に感銘を与えることができるのだと思います。
《智・感・情》 (1899年) |
一番見たかったのは、これです。右から「智・感・情」です。
西洋人女性のヌードではなく、日本人女性のヌード、その理想的な美しさを描いているとされます。ポーズや絵の持つ思想に関してはいろいろと議論があるそうです。
ただ単純に美しいと思います。
人物もそうですが、背景のくすんだ金地や体の輪郭に微かに見える光る金のバランスも、全体の色みも、実際に見るとどれも鮮やかで、とてもきれいでした^^
絵に込められた画家の意思や理想のようなものは、あまりわかりませんが、近代日本の洋画を引っ張ってきた画家の境地なのだと思います。
《湖畔》 (1897年) |
これも言わずもがな、っていうくらい有名な作品。(多分)初めて生で見ました。
他の作品よりもべたべた厚く描き込んでいなくて、透明感がありました。モデルは奥さまの照子さん。
《昔語り (舞妓下絵)》 |
大作《昔語り》の下絵の一部です。しっかりと手をつないで男の人にもたれかかっている舞妓さんがとてもしおらしくセクシーな感じで、下絵ながらとてもきれいでした。
本作品はないかな、と思ったら、焼失したそうです。残念;; 他にも3つくらいそのような作品(下絵のみ展示、本作焼失)がありました。
時代ですかね。作品が伝来するというのは、とても貴重で、尊いことなのだと感じました。
下絵が多いですが、下絵でも見応えがあり、画家がどれほどの熟考を重ねて作品を描いているのがよくわかるので、こういう展示もありだなと思います。
有名な作品はもっとたくさんあるし、それらがもっと並んでいてもよかったかな、とも思いました。
黒田清輝という画家を、名前や重文作品でしか知らない人には(tana含む)良い展覧会かなと感じました。
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