2021/02/11

『三沢厚彦 ANIMALS』 於:あべのハルカス美術館

 



117日まで開催していた、三沢厚彦さんの展覧会に行ってきました。ぐずぐずしていたら、すぐに会期の終わりが近づき、最終日になり、行こうかなどうしようかな、と悩んだのですが、行ってきました。

結果、行ってよかったです。思ったよりも楽しめました。


三沢さんは「アニマルズ」という等身大の動物の彫刻を作っています。

最近は単なる動物だけではなく、「キメラ」という架空の動物のシリーズもあります。


テレビで三沢さんの作品を知り、一見「かわいいな」と思っていたのですが、間近で見ると、大きさや存在感から、ちょっと「不気味」な様子もあって、単純な等身大の動物の彫刻とは違うなと感じました。

写実的な彫刻や絵画とも違って、剥製とも違って、三沢さんならではの魅力の詰まった「アニマルズ」なんだな、と感じました。だからこそ、現代の芸術家として大成されているのだと思います。


最初は猫さん犬さんがお出迎えしてくれて、大きな部屋で象さん熊さんが待ち構えていて、その後の部屋で、三沢さんの初期作品と「アニマルズ」へ至る過程の作品がありました。


その次の部屋から撮影OKの空間になります。

撮影OKって嬉しいものです。うまく撮れる自信などないけど、パシャパシャ撮ってしまいます。

肉眼と、レンズ越しと、ダブルで美味しいみたいな感じがします。




せっかくなので、tana撮影の写真で、展覧会を振り返ります。




あべのハルカスが確か、関西で一番高い建物でしたか? 高層ビルの中にある美術館なので、窓の外は景色がとても良いです。

このくまさんはガラスの外に1人だけいて、疎外感と、景色の良さが相まって、なんとも言えない存在感がありました。




動物が少し「不気味」に感じられるのとは逆に、昆虫や爬虫類は、とても自然で本物のように感じられました。

爬虫類などを元々、「きもかわいい」分類をしていたので、アニマルズに感じる不気味さ「きもかわいい」感じなのかなと思いました。だけど、さらにそもそもを考えると「気持ち悪い」のに「かわいい」とは何なのだろうと不思議です。異質感、異物感、疎外感、異界感、そんな感じを素直に受け入れられないでいるのか、受け入れようと努力して見ているのか、どっちなんだろう。




キリンとサメ。キリンは見上げるくらい大きくて、サメは赤い口が怖いくらいぱかっと開いています。

サメはヒレ3点で直立しているのが、何気にすごいなと思います。




小さめの熊さんなんですが。君はなぜ転がっているのか、と思いながらいろんな角度でパシャパシャ撮りました。立ってる熊さんもいましたが、この子は最初から転がっていました。多分立てても立たない、はじめから横向きで制作された熊さん。なにゆえに。




アニマルズの中の「キメラ」。髭と鬣が立派です。どちらもペイントが壁にかかっていて、絵から立体化したみたいなイメージで展示されています。大きくて、なんだか背中に乗りたくなる身体をしています。アニマルズに感じる「キモ」さはなくて、ただかっこいい。実在しない動物だからでしょうか? 




現実に存在するものを、立体や平面で表現する時、どうしても実物との対比というのがあると思います。実物に対して、リアルかそうでないか。写実的であるほど、その対比が見方に影響を与えているような気がします。


犬や熊、リスやトラなどのアニマルズたちを、なぜか「キモかわいい」に分類して、爬虫類を「リアル」と感じ、実在しないキメラたちを「かっこいい」と眺める。制作方法は同じなのに、感じ方が大きく違って、そこが不思議というか面白かったです。


だけどみんな、撫で回したい気にさせる魅力があります。触りはしないし、触っても木の感触しかしないのでしょうが、とっても触りたかったです。




とても久しぶりに展覧会ブログを書くので、まだ馴染まないです。自分で見て、自分で感じたことを言葉にすることが、これほど難しかったかな? と思います。


自分が「かわいい」と思うもの、「見たい」と思うもの、そういうものを大事にしたいと思う毎日です。



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